図書館で何度も手にとって中を覗いていたからか、覚えはないが、以前読んだことがあると思っていたが。今最後まで読み終えて、やはり未読だったようだ。
草壁ユナは作家であり、探偵社の所長でもある。作家としてデビューした頃の担当編集員高橋が、出版社をやめ、開いたブルーライト探偵社。しかし病を得て、しばらく休養を余儀なくされた高橋はユナに、所長を依頼する。再婚の夫を事故でなくし傷心の彼女を癒すためでもあったか。素人だし、小説執筆を探偵社内でしてもよいと言われ、お飾りの所長になったユナ。
高橋が引き抜いてきたベテランの高坂など、優秀な所員がいるため、ユナがするのは依頼者との最初の面談だけ。担当所員を決めて、あとはそのものに一任する。
大学で一緒だった中村秋子は、夫が博多から東京に転勤になったことがきっかけで、時々あって話す友になっていた。その秋子から、助けて、というタイトルだけのメールが来たとき、他の案件に取りかかっていて、すぐには対応できなかったが。高坂に相談して、誘拐事件の恐れがあるということで、秋子の住まいを訪れると、やはりそうだった。元気な様子の秋子の映像が2回送られて以降、犯人からの連絡が途絶え、心配する。映像を分析し、撮影された場所を特定したり、書棚にあった本が秋子とユナの共通の好きな本だったことから、本の並びから、10桁の数字を導きだしたものの、それが何なのかわからない。
同じ頃、都内では連続殺人事件が進行していた。遺体のそばに、クリスマス用の電飾ブルーライトが、ばらまかれていたことから、ブルーライト殺人事件として、警視庁が捜査していた。被害者には共通点もなく、捜査は遅々として進まない内に、新たな被害者が出ていた。社名がブルーライトなため、警察が訪れたこともあることがきっかけで、ユナたちもその事件に関わっていくことになる。
共通点はブルーライトだけ。手口からはみな別人の犯人にも見える。
膠着していた捜査本部に、似たような事件の描かれた小説が売られていることがわかる。それを聞いた高橋は、その小説が彼が昔担当していた雑誌の応募原稿だったことを思い出す。小説家のユナも講評を載せたことがあった。出版社にすでに原稿はなく、コピーしかない上に、応募者の情報が残っていなかった。当時関わった誰かがそれを残していないかを探す高橋とユナ。
一方、所轄の鑑識の着想により、連続殺人事件は一連の交換殺人ではないかという、発想の転換が生まれ、事件を新たに考え直すことになる。
最後にたどり着いた犯人はなんと、秋子の夫だった。妻の浮気を病的に疑う精神疾患を持ち、かつブルーライト殺人事件の応募原稿の著者だった秋子の夫。
小説を酷評されたことから、現実に事件を実行し、それにより、原稿を書き直そうとした夫。それに気づいて、狂言誘拐で夫から身を隠した秋子。夫のことをユナに知らせて、警察に逮捕させようと編み出した暗号めいた数字列。
夫は逮捕され、事件は終わったと思ったら、交換殺人の最後の標的が秋子だった。夫を葬り、新たな恋に生きようとした秋子の夢もつぶれる。
ラストがいまいち分かりにくかったが、まあそこそこ楽しめたかな。