浅見探偵シリーズだが、舞台が軽井沢ということで、長野県警の警部竹村も登場する。とはいえ、探偵役は浅見。
東京の南青山で警官の乗った車が飛び出してきた男をひいて、死亡させる事件が起きる。死の間際に残した言葉が、ホトケノオデコ。しかも後に、その男が悪名高い佐賀原商事の元社員で、かき集めた資金を隠した疑いがあり、指名手配されていた。さらに、財布のなかに、旧華族の娘で、政界に隠然たる影響力を持つ財閥の会長夫人の名刺が入っていた。事情を聴くにも、警察幹部でも簡単には面会できない。そのために、警察庁刑事局長は、非公式に弟の光彦に、捜査を依頼する。
一方、軽井沢大橋では不審な転落死体が見つかり、被害者が警視庁の公安部員だとわかり、竹村警部は捜査に難航する。公安部は秘密主義で、部員の行動を明かそうとしない。
兄の依頼で軽井沢に向かった光彦も、政財界の大物が住む別荘に迷い混み、捜査に難航する。
公安刑事が橋から遺体を投下されるのを目撃した自殺志願の女性は、なぜか会社上司の指示で、逃避を余儀なくされる。
彼女が勤める一流企業が企てた共産国との取引、ココム違反の取引を背景にした公安刑事の捜査と、佐賀原商事の秘密資金の隠し場所が、軽井沢で交差する。
最後には光彦は真相にたどり着くものの、それを秘密のうちに処理されることになる。
スッキリしない結末が物足りないし、竹村警部との絡みが薄いのが、いまいちな気もした。