提灯奉行白野弁蔵と将軍家斉の御台所とく子という身分違いの男と女の純情をテーマにしたシリーズの第2作。
将軍の名代として寺に参ったとく子が刺客に襲われたのを、得意の剣で助けた白野、それがきっかけで、側室が多くて妻としては存在が薄かったとく子は白野にひとめぼれ、五十代にして独り者の白野もまたとく子に心を寄せた。普段は会うことも叶わぬ身分違いの二人だが、事件が起きれば会う機会もある。
織田信長のもとでかつて影御用を勤めた赤母衣衆の子孫である一団。それが刺客の大本だった。今回の事件の背後にいたのも彼ら。
薩摩出身の御台所を暗殺し、信長ゆかりの女性を御台所に据えようとする企てのようだ。
とく子は家斉との間に二人の子を生んでいたが、一人は幼くして亡くなり、もう一人は水子として処理され、遺骸は将軍家の墓所にではなく、なぜか駿河久能山にある家康の墓所東照宮の中に納められた。
その水子となった子供が夢枕に、一寸法師の姿で現れ、とく子に、他の子供と同じところに埋葬されたいと願う。
以後、操られたかのように、それに心を奪われるとく子。身近な誰によってそんな幻術を施されたのか、そこから探索が始まり、そばに仕える女中のなかに、赤母衣衆がいたり、彼らに操られたものがいたりするも、白野らの働きで難を逃れる。
そして、御台所は筆頭のお年寄今和泉と共に、城中から失踪する。今和泉の指示で、伊賀蝙蝠組が警護について、どうやら久能山に向かったらしい。家来とも言える鳶の朝吉、元辰巳芸者の君蝶が同行する。
駿河の国では、後に大親分と言われた博徒の大前田栄五郎の若き日の姿も登場する。御台所に引かれ、彼女を守ろうと奮闘する。