昨夜10時から3時間あまりかけて読了。久しぶりに集中して読んだ。

京都の所轄署女刑事片岡真子が主人公の警察小説。
最近放火とみられるぼや騒ぎが続出していたが、火災現場から死人が出る事件が起こる。灯油を撒いて黒こげになった死体、付近にも灯油が撒かれて全焼する火事だった。
遺体は後に、火災現場に住む精神科医の山之内とわかるが、同居していた妻和代が見つからない。行方を探すも不明のまま。
放火現場で目撃されていた不審な男長門が任意同行で取り調べを受ける。
山之内は有名な医師で、大学病院の教授を引退後、自宅でクリニックをしていた。主として、自殺願望の強い患者のケアをしていた。
長門もその患者の一人だった。
長門は食品メーカーに勤めていたが、虫が混入していたというニュースがネットで騒ぎになり、責任をとらされて首に。会社にも不信感を持ち、以後精神が安定せず、仕事もしなかった。そのため妻が水商売に出るようになり、アルコール中毒に。高校生の娘芽依は、バイトで生活費を稼ぐようになる。
捜査本部に詰める府警の伊澤とコンビを組むことになった真子は、感情を表に出さない伊澤に悪感情を抱く。以前、警察庁から来たキャリアの府警の捜査一課長高藤と組み、淡い思いを抱いている真子。
府警の顧問をしている山之内の弟子である精神科医新盛が、鋭いプロファイリングで本部に常勤するようになり、長門がついに放火を自白。しかし、山之内の殺人と放火は否認。
一連の放火騒ぎと殺人放火事件は別だとわかり、殺人事件は新たに捜査が始まる。
山之内の妻の行方を追ううちに、東京で脳外科医をしている息子に疑いを向ける真子。
山之内が弟子の一人で、仙台で自殺した女性の死に疑いを向けていたことを知った真子は、強引に出張して、女性の事件を再捜査。自殺した女性は自殺を認めない山之内と同じ考えを持つ精神科医で、自殺は考えられない。高所恐怖症の彼女が自宅のベランダから事故で落ちることもあり得ない。調べを進めた真子は、男気のない女性の死んだ日に、部屋に男がいた感触を売る。普段おしゃれに縁のない女性がめかし込んでいたため、心を寄せる男性ではないかと推量。自宅パソコンに暗証番号がわからない二つのファイルを見つけた真子はパソコンを預かる。
行方のわからない山之内の妻和代、出掛けた姿を見たものがないことから、自宅内にいるとにらんだ真子は、山之内の遺体の下に埋められていた和代を発見する。
次第に疑惑の焦点となってきたのは、府警の顧問を勤める精神科医新盛。しかし、物的証拠もなく状況証拠だけでは落とせない。
伊澤とのコンビを解消し、再び高藤とコンビを組み、所轄の班長中野と密かに、新盛について調べを進めた真子は、ついに新盛に自白させ逮捕。
すると、新盛は良性の脳腫瘍のために起こした事件で、責任能力がなかったと主張し、罪を逃れようとする。
せっかく逮捕したのに、罪に服させることができないことに、落胆する真子だったが、ついに奇抜な作戦で新盛に有罪を認めさせる。