西のはての年代記第3巻。
舞台は西のはての国々中では中間にある都市国家群のひとつ、エトラ。
主人公はエトラの名族のアルカ家の奴隷だった少年ガヴィア。幼い頃に姉と二人奴隷狩りにさらわれて、アルカ屋敷にやって来た。彼は人並み優れた記憶力のお陰で学問に優れ、奴隷ながら教師を勤めるエヴェラの助手を勤めていた。
姉弟の故郷は水郷地帯と言われる山岳部の湖の村。そこには未来を予見する幻を見る能力を持つ者が時に現れた。彼にもその能力があり、姉から他人には知らせないように止められていた。奴隷にも自由が許される館の暮らしに、不平も抱かず暮らしていた彼が変わるきっかけは、姉の死だった。
美人で心優しい姉は、館の跡取りの愛人となったものの、跡取りの留守の間に、次男の乱暴により死ぬことになる。それに対して主も夫人も次男を咎め立てしようとしない理不尽さに憤り、ガヴは館を逃げ出す。
放浪の末、洞穴にすむ世捨て人に助けられ、さらにその案内で、森にすむ自由民の集団に受け入れられて、共に過ごす。彼の記憶してる物語を語る能力に魅せられた頭領に愛され、幸せな日々を過ごしたものの、その棟梁の女ぐせの悪さから反感を買い、逃げ出す。
生まれ故郷を目指したガヴ。自分の記憶力、予知夢について、詳しく知りたいと思い、一年ばかり故郷で過ごしたものの、自分の能力が怪しげな利用にさらされるのに気付き、故郷をも逃げ出すことになる。
彼が目指すのは、北にある大学のある文化都市メサン。その地にすむ詩人オレックに会いたいと思った。自由を歌う新しい詩をつくるオレックは、アルカ館の教師には禁じられていたが、自由民がすむ森の住民には人気があり、その詩集を譲り受け、放浪するガヴの心の支えになっていた。
森で知り合った幼い奴隷の娘と、再会したガヴは、二人で困難な旅をして、北国にあるメサンを目指す。
そして、オレックの館にたどり着いた二人は、暖かく迎えられ、客人として滞在していた南の国アンサルのメマーとも出会う。彼女は、先日読んだ第2巻「ヴォイス」の主人公。それなのに、とっさにどんな娘だったか思い出せない。侵略者により奴隷にされた一族の娘、読書にたけた女性。
話はそこで終わっていて、その後のガヴは描かれてないのが、心残りだが。
次は引き続き、第1巻「ギフト」を読んでしまおう。