付き合っていた彼氏が二股かけていて、いきなり別れを告げられた篠垣早紀は、一人酒に酔い、深夜たどり着いた見知らぬ街の見知らぬ店。壁が赤いこじんまりしたバー。マスターの他には、奥にあるらくだにまたがったホストのようなイケメンがいる。いきなりケータイを貸してくれといい、それを抱いて寝てしまう。30分後目覚めたその男は、言う。人が大事にしていたものを抱いて寝ると、夢の中で、その物に移り住んで、そのものが見聞きしたことを知ることができるのだと。半信半疑で聞いた早紀。
祖父が死んだと知らせがあり、北関東の田舎街に帰郷した早紀。心臓の病があり、日課の散歩も無理してなかった祖父が、高い階段の上にある神社で発作を起こし、死んでいた。持ち歩いていた薬の1錠が破られていたが、いつも真ん中から選ぶ祖父が、なぜか端が破れていた。
不審な点はあるものの、病死と判断され、葬儀を迎えた早紀。その席に現れた薄知の放浪者が祖父は殺されたのだと言う。そしてその後、用水路で死んでいるのが発見される。事故死と思われたが、後に首筋に押し付けたあとが見つかり、殺人を疑われ、警察の捜査が始まる。さらに、祖父の死にも殺人の疑いが。
父からいまは亡き祖母が夢見がちと呼ばれる、物により夢を見る特別の才能を持っていたと聞いた早紀。しかも、早紀にもその才能が受け継がれていると。早紀が思い出したのは、失恋して酔いつぶれた時に出会ったイケメン。彼に祖父の持ち物により、夢見してもらおうと。彼の名は星川司。その才能で警察の捜査にも協力してるという。でもそれで、嫌な夢ばかり見ているので、あまり関わりたくないという。そんな彼を押し出してくれたのはバーのマスターだった。
早紀に借りた祖父の持ち物で夢を見られなかった司は、早紀と彼女の故郷へ行くことになる。
待っていたのは祖父の葬儀で再会した、高校時代の同級生で、地元に残った者たち。それぞれいっぱしの大人になったかのように思えた早紀だが、次第に彼らの関係に微妙な思惑がまとわりついているのに気づいていく。
昔親友の気持ちを知り、譲った、いまは既婚者の彼氏から襲われたり、さらに、司が襲われたり、犯人とおぼしき男の遺体を発見したり。そして最後にわかったのは、親友だと思っていた友が心の奥に隠していた恨みや嫉妬。
犯人の暴走で交通事故になり、生死をさ迷いながら戻った早紀と司。