獣の奏者シリーズ第3巻、第4巻を一気に読んでしまう。
第2巻で一応完結した物語を、読者の要望もあり、さらに書き継いでできた二巻。
エリンは、真王の護衛であったイアルと結ばれ、息子ジェシを生み、母親となった十年後から話が始まる。
かつてエリンの母親が刑死されたきっかけになった闘蛇の大量死が再び起こり、その調査を命じられたエリン。それにより、人の手で飼われるようになり、変質した闘蛇の隠された秘密が明らかになる。その結果、闘蛇の交合が可能になり、より多く繁殖させる道を開いてしまう。
かつて、山脈の彼方の地で起こった災厄を聞いたことがあるエリンは、より詳しく、闘蛇や王獣の未知の生態を知るべく、山脈の谷間に今も生き残る真王の一族の人々に会いに行こうとするも、果たせなかった。
真王と大公の婚儀によって新生した国は、今だ不安分子を抱え安定せず、周辺部族の侵攻も取りざたされるようになり、エリンには王獣を繁殖させて数を増やし、戦隊を作ることが命じられる。過去の災厄の詳細がわからず、闘蛇や王獣が戦闘状態でどうなるのかわからない不安を抱えていたエリンだが、それを実際に試してみる他に方法はないと覚悟する。
そして迎えた闘蛇を操るラーザ軍とエリンが指揮する王獣軍団の戦い。王獣に怯え、狂って動く闘蛇の群れ。それから発せられる聞こえない叫びが、王獣を狂わせ、彼らもまた死への道をたどり、闘蛇王獣の混乱に巻き込まれて、町が人が破壊される。大災厄の再来を目にしたエリンがそれを食い止めるためにしたのが、音無し笛による闘蛇と王獣を共に止めることだった。王獣に乗っていたエリンは共に墜落し、死を迎える寸前にイアルに救われ、四日間だけ生き延びて、イアルとジェシと別れを告げる時を得る。
大災厄の真相を目にした真王と大公、さらに敵であったラーザさえもが、闘蛇や王獣を野に返すことになる。彼らはもう武器として使われることはなくなった。しかもエリンの遺志により、その真相は文書化され、一般に公開されることになる。二度と災厄を起こさないために。真相を秘密にしたりすることで、抑止することはできない。真実を公にして、人の手で次々と代々伝えていかなければ、忘れられてしまう。