様々なミステリー作品を納めた短編集。
巻頭のタイトル作は、運行しているはずがない深夜バスに乗った男の奇妙な体験から、最初は幽霊ものかと思ったが、実は細心に練られた完全犯罪だった。
隣家に越してきた住人の秘密めいた行動の意味を知ることになる女子中学生の恋と不安な心理を描いた2作目。
大学時代の仲間が信州の別荘に集まったときに起こった指輪盗難事件。それを鮮やかに解き明かしたのは、仲間の一人で今は教師をしている女性。本格もののミステリーについていた読者への挑戦状も掲げられたミステリー。
ひなびた田舎の集落で発生する奇病、九人にだけ伝染する怖い難病を、ホラー仕立てで物語る第4作。
ラストは、同じ女性作家に殺意を抱いた作家と編集者の殺人とアリバイ作りに苦慮する様子を描いて、完全犯罪かと思われた事件が、犯人の単純なミスにより暴かれる。
気に入ったのは殺人が起こらない2作目と3作目か。