舞台は静岡県のとある都市。早季子は高校生。彼女の父は幼いときになくなり、小学生の頃までは祖父がいたが、その後は母と二人暮らし。祖父は60年続いた和紙店を営みつつ、折り紙教室を開いていた。祖父がなくなり、母は家を小さく改築して、和紙店を営んでいる。
幼い頃には祖父に教えられて折り紙をしたこともある早季子。
そんな早季子のもとに不思議な葉書が届いたのは2年生の2学期の終わり。差出人の名前も裏に何も書かれていない葉書が自宅と学校に届く。
彼女が1年生の時にクラスメイトだった望月和志が難病のために亡くなっていた。彼女は多少引かれていたものの、いまだに彼の死を受け入れることができないでいた。彼は折り紙が好きで、早季子の祖父の折り紙教室に通っていたこともある。
そんな和志との出会いから別れまでが少しづつ回想されながら、早季子の現在に現れる不思議と彼女が折り紙に立ち向かっていく姿が描かれていく。
長く生きられないことを知っていた和志は、折り紙に、ある科学的な仕組みを取り入れることで、未来の早季子と繋がっていこうと試みた。
形状記憶というような知能を埋設された折り紙。実際にできることなのかどうかはよくわからないが、不思議な奇跡と思うのでもいいのかもしれない。
亡き和志が早季子に残したもの、思いが彼女の未来につながる。
青春恋愛物語のひとつとしても読めるし、折り紙の魅力を感じられる作品でもあり、先端科学技術がもたらす奇跡に思いを馳せることもできるかもしれない作品。
読んでいて、所々読んだ記憶がある。以前一度読んだことがあるのかもしれない。それでも細部や結末は覚えていなかったから、読んで正解だった。