一人の婦人警察官平野瑞穂の活躍を描いた警察小説。
ふるさとの分校で、小学生の時に見た交通安全指導の婦警のかっこよさに憧れ、婦警になった瑞穂。
しかし男社会である警察官での女性の地位は今だ低いものだった。
イラストが得意な瑞穂は鑑識課に所属し、犯人の似顔絵を描く担当だった。ある事件で無事に犯人は逮捕されたものの、似顔絵とは全く違っていて、書き直しを命じられるも、嘘は書きたくないと拒否。警察の威信がかかってると説得されて、似顔絵を書き直し、それが犯人逮捕に繋がったと報道され、表彰まで受けた瑞穂は、良心の呵責に耐えられず、職場放棄。数ヵ月後、心の病が癒えた瑞穂は警察に復帰するも、部署移動された。
秘書課の広報公聴係に配属され、署内のマスコミに貴社発表の予定を知らせるという、つまらない仕事にうんざりしていた。選挙違反の報道で、ある新聞社が記者発表前に、特ダネを何度も続けてスクープ。警察内部でも誰が情報を流してるかの調査が始まる。上司からは、特ダネを書いている記者を特定するように命じられ、仲のよかった女記者との関係も悪くなる。
ついで彼女が配属されたのは、新設の犯罪被害者支援対策室。なんでも相談テレホン。いわば電話番で、一般人の悩み相談を受ける部署。そこで、瑞穂が受けた相談は、火事を異常に怖がる女性の相談。調べてみると、叔父の放火により両親をなくしている。最近頻繁に起こる放火騒ぎで不安になったらしい。無期懲役になった叔父が出所し、証言した自分になにか報復するのではないかと恐れていた。調べてみると、叔父は刑務所内で自殺。それで安心するかと思いきや、なにかおかしい。調べを続けていき、意外な真相にたどりつく瑞穂。
似顔絵かきを諦められない瑞穂は久しぶりに、美術教室に足を運ぶ。そこで出会ったのが瑞穂の後任の似顔絵担当の女性警察官三浦。あまりうまくない彼女がなぜか、ある事件で犯人そっくりの似顔絵を描く。犯人特定が先にでき、写真を見て書かされたのではないかと、心配する瑞穂だったが。事実は彼女は犯人と顔見知りだった。
銀行襲撃訓練の情報が漏れ、同時刻に別の銀行強盗が起こる。訓練情報を誰が漏らしたのか?訓練に参加した瑞穂は、怪しい市民を見かけていた、場違いな赤ん坊を抱いた若い女性と、老人。寮仲間に漏らしたという彼女の言葉により。その女性と恋人までもが監察官に調べられて、無用な失態をおかしてしまう。瑞穂は単独で怪しい二人を調べ始める。赤ん坊を抱いた女性は保育士の手伝いをしていただけ。ならば老人が怪しいと、調べを進めて居所に単身赴いた瑞穂。そこに捜査本部の刑事も訪れる。自首を説得する瑞穂。
拳銃が苦手な瑞穂。女性警察官のなかには、国体にも出られそうな優秀なものもいる。交番勤務の安奈もそれ。その安奈が追い詰めた犯人に暴行を受け、拳銃を盗まれる。背が高い女だったという証言から、犯人捜査に駆り出された瑞穂は、女を蔑視する所轄の刑事と組む。その刑事の独走に付き合い、犯人に銃撃された瑞穂。犯人は相棒が射殺した。警察官として間違ってない行為だと思われたが
、実はそのうらに隠されたものがあった。警察マニアに密かに備品を横流ししていた刑事。それが相棒になった刑事だった。真相がわかり、その刑事は処分され、瑞穂は念願の鑑識に復帰することになる。似顔絵描きとして。