警察学校を舞台にした警察ミステリー。
どうやら、今はシリーズになっているようだ。
警察学校の教官守山が首吊り死体で発見される。自殺で処理されかけた事件の捜査に乗り出したのは、警視庁捜査一課の刑事、五味と、地元府中署の女刑事綾乃。亡くなった守山は、五味とは警察学校時代の教場仲間だった。しかも、守山の助教官を勤めている高杉も、同じ教場仲間。
高杉は守山が自殺しかねない様子だといい、守山の妻は自殺するはずがないという。現場の状況を精細に調べた五味は、不審な点があると主張し、ついに遺体解剖をさせる。そして、守山に自分では難しい筋弛緩剤の投与の跡を見つける。
第三者の存在がうかがえる。
現在の守山教場と、過去の五味がいた頃の小倉教場の様子がかわりばんこに描かれていき、事件の真相に迫っていく。
妻をなくし、大人びた小学生の娘と暮らす五味。その妻は五味が教場時代の同じ学校にいた仲間でもあった。
女問題で警察学校の教官に左遷され、家族の世話をしなかった父親に反発して、行状がよくない百合。五味が思いを寄せていた彼女は高杉と関係を持っていた。
小倉教場では仲間の一人が自殺していた。それに関わった一人が守山だった。その自殺事件が現在にも尾を引いているのか。かつての仲間たちの中に、真犯人がいるとにらんだ五味は密かに、過去と現在の二つの自殺事件を調べていく。そして、ついに明らかになる真相。犯人の中には、次のオリンピックで期待される警官もいれば、かなりの階級になったものもいる。明らかな殺人ではないと知った警察上層部は、事件の揉み消しに走る。
それを黙認できない五味はマスコミに流したことで、左遷され、警察学校の教官になる。そのいいわけとして、監察官は、五味の弱点をせめて、精神的に刑事の任に耐えないからと、異動理由を発表する。
いまだ小学生だと綾乃に話していた五味の娘は実は中学生。四年前にガンでなくした妻の死を認められない五味が四年の歳月を止めていた。
娘の実父は、警察学校時代に百合とつきあっていた高杉。しかし、卒業前に退職した百合は、高杉に打ち明けずに、シングルマザーになった。
祖父である百合の父親である小倉教官は実父に会わせようと、五味とは親権を争ったが、偶然再会した五味に、娘がなついてしまった。血の繋がりはないが、立派な父と娘。
一度闇に葬られた事件は、綾乃が強引に昔の死体を掘り起こしたことがきっかけで、明るみに出され、関係者は処分を受けることになった。
もとに戻るチャンスがありながら、五味は警察学校に赴任することに決める。
昔優等生だった五味は、もしも教官になったら、ゴミ教場と呼ばれるのではないかと冷やかされた。それなら、ゴミではなく、53と呼べばいいと、誰かが言った。第一線の刑事から警察学校の教官として新しい仕事に向かうことになる五味。その活躍を描くのが、シリーズなんだろう。読んでみたいな。