日記形式で、一人称で語られる4編の短編集。それでいて、登場人物の一人が、他の短編の人物と多少関係があるという、微妙な連関もある。
美男美女の夫婦の娘として生まれた平凡な顔の娘の日記。父親の秘密の趣味を見つけ出し、自身の整形費用を出させる。日記のなかでは父親はなんども娘と妻に殺されている。日記とは妄想を、嘘を書くものなのか?<トロフィー>
<道化師>の主人公は、前編の妻の兄。田舎の資産家の跡継ぎ。下半身不随の様子。2年前になくなった母親が彼のために選んだ1回り若い女性。彼女を知った叔父が騒いだのをきっかけに、甥に彼女を譲ることにした。道化師になろうと。
妻帯者との不倫をしていた千希は、彼と会えないさみしさやつらさを日記に綴っていた。同居する妹が盗み見ていると知りながら。そして、不倫しているという話は妹を欺くための嘘だった。<サムシング・ブルー>
<夫婦>妻が海外旅行に出掛けたのを幸いに、妻をなくしたやもめ暮らしの男を演じて、楽しみに耽っていた夫。妻の帰宅で、幸せな時間がなくなったのを惜しんで、妻殺しを計画するも、逆に自身が殺されてしまう夫。
正直、いまいちわからないし、面白くもなかった。著者の遺作だというが、読んだことのない作家だな。