テレビドキュメントの製作者キャサリン49才は順風満帆の生活を送っていた。彼女が作った番組が受賞し、弁護士の夫は優しい。出来がいいとはいえない息子は大学には進学しなかったが、就職して独立していた。
夫婦二人で住むには大きすぎると。引っ越したキャサリン。荷物のなかに、見慣れない本を見つけ、読んでみると、案外に面白く、夢中で読んでいたら、名前こそ違うが、20年前の彼女の姿が描かれていた。夫にも打ち明けず、隠してきた過去が。
著者に覚えはないし、どうやら自費出版されたものらしい。今さら夫にも打ち明けられず、密かに送り主について調べ始めるキャサリン。
彼女の行動と平行して、送り主の側の行動も描かれていく。
20年前の夏、スペインの海岸へに幼い息子と夫と旅行に出掛けたキャサリン。夫が一足先に帰国したあとに、それは起こった様子。
キャサリンに目立った変化がないのを不満に感じた送り主であるスティーヴンは
キャサリンの夫や息子にまで、その本を送る。さらに、夫ロバートには、キャサリンの扇情的な写真まで送ってくる。
20年前のあのとき、ロバートが帰国した直後に、妻キャサリンが浮気したとしか思えなかった。妻の弁解も聞かず、家を出る夫。夫婦は互いに別々に送り主に接触しようとするが。
キャサリンの相手だと思われる若者ジョナサンは、海に流されかけた幼い息子ニコラスを助け、溺死した。
スティーヴンにより、夫婦仲をさかれ、息子にも手が延びるのを感じたキャサリンは、スティーヴンに会い、真実を告げようと決意する。
本の叙述はあのときのことを題材にしてはいるが、虚構の部分もある。彼女は浮気をしたのではなく、息子を盾にレイプされた。写真も目前からとられたものではなく、盗撮されたものだった。
レイプ犯が、息子の命を助けて死んだことで、キャサリンはすべてを闇に葬るつもりだった。
できの悪い息子を溺愛し、その急死に心を乱した母親が、遺品の中にあった盗撮写真から創作した物語だった。
すべてが明らかになったとき、息子がレイプ犯であったことを認めた父親スティーヴンは自殺する。
残されたキャサリン一家は新たな家族として再出発することになる。