アンソロジーがいまいちだったので、積んどく本のこれを読む。なかなかよかった。麻見さんの作品だと、警視庁殺人分析班シリーズがお気に入りなんだが。
こちらも主人公は女性早乙女綾香。一流の新聞記者から、クライムチャンネルという衛星テレビ局に転職。重犯罪取材ファイルというドキュメンタリーの製作をしている。一度、現在進行中の事件を取り上げ、評判になったものの、以後は過去の事件ばかり扱って、いまいち。
そこで上層部から現在の事件を再度扱うように命令される。
しかも、もと警視庁捜査一課にいた刑事久我が部下としてつけられる。

その久我がネット検索で見つけた事件を追うことになる。
武蔵村山の廃屋で全裸で座り込んだ女性の遺体が発見される。
さらに、その死体写真がネットのサイトにアップされていた。
被害者の身元がわかり、その交遊関係を調べ、過去を調べていくと、きな臭いものにぶち当たる。被害者の友人だった女性が第二の犠牲者に。
綾香と久我の取材と共に、犯人らしき男椎名の行動がかわりばんこに描かれていく。
警察臭さが抜けず、金に執着する久我の態度に最初は戸惑った綾香だが、次第に慣れていく。一線さえ越えなければ、ある程度の無茶は許さないと真相にはたどり着けない。
最後に久我のことがわかる。妻をなくし、娘が難病のために入退院を繰り返している。そのために、時間に余裕があり、金になる仕事についた。
女友達の三角関係から生まれた自殺事件。そのために遺族が起こした復讐劇。何ともやりきれない事件だが、最後に綾香が見せた真犯人を特定する推理と、真犯人に説教する姿が格好いい。