北欧の島国アイスランドの作家アーナルデュルによる、アイスランド社会を舞台にしたミステリー。
レイキャヴィック警察犯罪捜査官エーレンデュルを主人公にしたシリーズの邦訳第1作。原書では第3作。

長雨の続くレイキャヴィクの北の湿地にあるアパートの一室で発見された老人の死体。アイスランドではよくある殺人かと思えたが、唯一変わった点は、遺体の上に置かれたメモの言葉。俺はアイツだ。意味不明の言葉にこだわるエーレンデュルは、老人の過去に原因はあるのではないかと思い、部下の消極的な態度にもめげず、老人の過去を調べ始める。

机の引き出しに隠されていた墓の写真。わずか4才で病死した少女。母親は3年後に自殺していた。やがて、母親は老人に強姦されたこと、その結果生まれた娘だとわかる。娘の病死の記録があまりにも簡単すぎると思って、調べを進めると、どうやら珍しい病気でなくなったらしい。そしてそれが遺伝性のもので、素因は暴行魔が持っていたのではないかと思える。老人の昔の仲間によれば、もう一人暴行された女性がいたらしい。犯人はその関係者かと調べを進めていき、ついに真相にたどり着いたとき明らかになったのは、悲惨なものだった。

主人公のエーレンデュルは離婚し、幼い頃に娘と息子と別れ、独り暮らし。成人した子供たちが現れたときには、麻薬中毒とアル中毒と悲惨な状況だった。
何もかもが陰惨で、あまり面白くないのだが、昔かたぎの主人公の捜査と、犯罪の真相にたどり着くまでの過程が結構気持ちよい。
シリーズをさらに読むかどうか、迷っている。もう1冊くらい読んでみようか。