江戸時代の京都で孤高の絵師として、知 られた若沖。彼は京都錦高倉市場の青物問屋枡源の主だった。絵を描くのが好きだった彼は、店の商いをふたりの弟に任せて、絵三昧の日々を送っていた。なんとか商売には戻そうと嫁取りをしたものの、絵描きは止まず、それゆえに余計に姑にいびられた嫁は、蔵で首吊りして死去。
以後は、死んだ妻への詫びのつもりか
若沖は蔵が目の前にある奥座敷にこもり、絵描き三昧。
そんな彼の世話をするのは、腹違いの妹お志乃。家族を失い、枡源に引き取られたものの、女中に近い扱いを受けていた志乃は、二人とも店の厄介者ということで、嬉々として兄の世話をした。
亡き嫁の末っ子の弟弁蔵も姉を頼って、店に奉公していたが、姉の死後、枡源の縁戚で同調の店に、奉公した。
そんな義弟と義妹を夫婦にして、跡を継がせて、隠居しようとした若沖の思いは、いまだに兄と店を恨む弁蔵に拒否されておわる。
以後弁蔵は失踪。店を弟に譲り、隠居した若沖は、別居して絵に打ち込む。
やがて、若沖の贋作をしている絵師が弁蔵だと知る。彼に負けまいと、精進する若沖。
時を経て続くふたりの確執が収まるのは、若沖が亡くなってから。義兄への恨みは晴れないが、絵師としての若沖に弁蔵はわだかまりをなくし、認めた。