坂見町の東楽観寺の入り口の脇にある交番に赴任した宇田巡。幼い頃、この町にすんでいて、小学3年で転校した。交番のある寺の息子、大村行成とは、当時の同級生だった。偶然とはいえ、再会した二人。幼い頃、記憶にはないが、勘の鋭い巡のおかげで、行成は何度か命を救われたことがあったらしく、巡を見て、行成の母親の方が感激した。寺のなかに作られた六角形の建物が、交番勤務の巡査の宿所になっていて、巡は朝食と昼食を行成の母親の世話になっている。

交番前にはなぜか赤いベンチが昔から置かれていて、巡とベンチに腰かけた行成がおしゃべりしているときに、現れた美少女の高校生楢島あおい。巡の写真を撮りたいという。そこへ現れたあおいの友人鈴本杏菜。二人が立ち去ったベンチにいつのまにか女性の財布が残されていた。いつ?誰が?

最初のなぞはそれ。免許証が入っていたので、持ち主に届けると。なぜか追い出された巡。何か秘密がありそうだと調べることになる。
その後もスーパーで万引きされた品が、犯人から取られて元に戻される不思議も起こる。バイトしていた店長の甥には不思議な能力があった。意識しないで見たものを再生する能力。それによると、近くにいたのは女子高生。どうもあおいらしい。
彼女の能力はスリらしい。この町にはかつて伝説的な女スリがいた。あおいはどうやら、その孫で、スリの超能力を遺伝されているらしい。彼女はそれを人助けのために使っていると思う巡。
財布を盗られた女は、スーパーのバイトの兄嫁。水商売してる自堕落の夫のために、育児放棄をしかけていた。それを防ぐために、巡の注意を向けるために、財布を巡の前においたらしい。
その夫が借金していた金貸しの婆さんは、陰であくどい悪人から町を守ってきた。スリをしてるのが、昔馴染みの伝説のスリの身内だと気づき、あおいに近づいてくる。
一方、巡は水商売していた男が、昔の同級生だとわかり、人の善悪を見通す勘の力で、彼が根っからの悪人ではないと気づき、近づき、旧交を温めて、孤独な彼の友達になろうとする。
伝説のスリが堅気になるのに力をつくしたのが、当時巡査だった巡の祖父だとわかり、因縁の深さに驚く。
最後は心を入れ換えた水商売の男により、すべてが丸く納まる。
安易だが、ハッピーエンドはやはり心地よい。