5編収録の短編集。
最初のタイトル作の主人公は日本橋の老舗太物屋いせ辰の奉公人、英助。十八で手代を勤めていて、客からも信頼され、主人にも期待されている。そんな英助には人には言えない秘密があった。奉公に出る前、常磐津の師匠をしていた母親が死に際に、天涯孤独となる十五歳の息子に言い残したのは、父親が旗本で、江戸町奉行の遠山様だと。証となる短刀と印籠もあった。
しかし、身分違いの実の父に名乗り出る勇気もなく来た英助。出戻りのお嬢様の婿にならないかという主人の言葉をきっかけに、実の父に会う英助の葛藤を描いたいい作品だった。
2編目の作は、婿にした手代により店を潰した筆屋の娘のれんが、父と二人で小さな店を再開してから、知り合った絵師の歌川国直と、職人として立ち直った、もとの夫である男との二人のどちらを選ぶかの葛藤を描いた作品。
3編目は、葛飾北斎の娘栄の絵師としてのの生きざまを描いた作品。
4編目は、松前藩の殿様の弟で、執政家老の家の跡継ぎであるとともに、絵師でもあった男の生きざまを描いた作品。実の兄である殿様の乱行により、藩は減石されて、奥羽に移封されたが、藩政につくし、絵師としても作品を残した蠣崎将監広年の生涯を描いた作品。
5編目は、羽州で煙草屋に奉公していた、学問好きな若者元吉が、主人に婿となることを言われたものの、断り江戸に出て学問に精進。やがて蝦夷に興味を抱き、何度かの蝦夷探検により、侍となった最上徳内を描いた作品。
私が一番気に入ったのはやはりタイトル作。ついで葛飾北斎の娘栄を描いた3作目かな。
最初のタイトル作の主人公は日本橋の老舗太物屋いせ辰の奉公人、英助。十八で手代を勤めていて、客からも信頼され、主人にも期待されている。そんな英助には人には言えない秘密があった。奉公に出る前、常磐津の師匠をしていた母親が死に際に、天涯孤独となる十五歳の息子に言い残したのは、父親が旗本で、江戸町奉行の遠山様だと。証となる短刀と印籠もあった。
しかし、身分違いの実の父に名乗り出る勇気もなく来た英助。出戻りのお嬢様の婿にならないかという主人の言葉をきっかけに、実の父に会う英助の葛藤を描いたいい作品だった。
2編目の作は、婿にした手代により店を潰した筆屋の娘のれんが、父と二人で小さな店を再開してから、知り合った絵師の歌川国直と、職人として立ち直った、もとの夫である男との二人のどちらを選ぶかの葛藤を描いた作品。
3編目は、葛飾北斎の娘栄の絵師としてのの生きざまを描いた作品。
4編目は、松前藩の殿様の弟で、執政家老の家の跡継ぎであるとともに、絵師でもあった男の生きざまを描いた作品。実の兄である殿様の乱行により、藩は減石されて、奥羽に移封されたが、藩政につくし、絵師としても作品を残した蠣崎将監広年の生涯を描いた作品。
5編目は、羽州で煙草屋に奉公していた、学問好きな若者元吉が、主人に婿となることを言われたものの、断り江戸に出て学問に精進。やがて蝦夷に興味を抱き、何度かの蝦夷探検により、侍となった最上徳内を描いた作品。
私が一番気に入ったのはやはりタイトル作。ついで葛飾北斎の娘栄を描いた3作目かな。