年末の休みになったものの、思ったように本が読めない。一つには、いわゆる大掃除の真似事をしなければならないため。家内が宅配便の仕事をしているため、いわゆる主婦業をできないのと、率先してやっていた私の母親ももう米寿。したがって、担い手は私と娘だけ。
昔はイモウトガ4人いた私は家事をしたことがなかったのだが。

それと、気持ちというか気分というか、たっぷり時間ができたのに、それと裏腹に、読書欲が減退して、YouTubeで音楽の動画を見て過ごすようになった。

今日は午前中に玄関前など、外回りの掃除を済ませたあととに、読みかけていた本を読む。午後は窓拭き。

読み終えた本は、サブタイトルに、出島絵師 川原慶賀とある。
どうやら実在した人物のようだが、彼を主人公にして、その一生を描いた作品。

長崎の町絵師の息子に生まれた登与助。その才能に気づいた父親は彼を、当時唐絵の目利きで、長崎の画壇の大物絵師石崎のもとに、息子を弟子入りさせる。師匠にも才能を認められ、兄弟子の妬みからのいじめにもめげず、精進し、出島の商館長に認められて、出島出入りを許された。十三才で弟子入り、4年後の十七才で出島絵師の一人となる。
日本人の妻を持ち、子をなした商館長の人情味溢れる人物に惚れ込んで、仕えた登与助、賀号は慶賀。
商館長が帰国後は、残された息子を我が子のように世話をする慶賀。

その後に来た若い医師シーボルトに気に入られ、彼の眼として、彼が眼にして記録に残したいと思うものはなんでも描くことを命じられた慶賀。科学者として正確な描写を要求された慶賀。はじめは戸惑うものの、やがて、シーボルトの望み通りの絵を描きあげるようになり、ますます重用された。
医師としての腕が優れ、日本人の治療も許されたシーボルト。医術ばかりでなく、様々なことに関心をもち、研究。彼に教えをこうために、全国から才能ある人々が彼のもとに集まり、ついに長崎の町中に塾を開くことさえ許される。シーボルトに連れ添う慶賀も、そうした人々と知り合う。
商館長が将軍に挨拶するために、江戸に向かう一行にはシーボルトがおり、その推挙で、絵師として慶賀も同行することになる。
生まれてはじめての江戸行き。さまざまな経験もしたが、慶賀にとって一番の収穫は、絵師葛飾北斎と娘の栄に会ったことだった。
彼が描く写実絵とは違うが、北斎には彼独自の世界がある。圧倒された慶賀。しかも娘の栄の絵にも魅了された慶賀は、男女の道にも踏み込む。
長崎出島に戻った商館一行と慶賀。そのあとを追うかのように現れた栄。彼女により、江戸の幕府が、シーボルトの回りを探索していることを教えられるも、シーボルトの眼を自認する慶賀は我が身かわいさや、栄との暮らしを選ぶことなく、商館に最後まで留まることを決意する。
治外法権のシーボルトを捕まえられない公儀は、しーぼるとにつながる人々を次々と捕まえ、拷問をしてでも、シーボルトの罪を暴くために尋問した。慶賀も当然捕まり、入牢。
後に釈放されたが、出島出入りの身分を剥奪される。その後、長崎に残った栄と共に暮らし、絵を描き続けた慶賀と栄。金がたまったら、海外に出て、見聞を広めたいと願っていた。