ともかく最初から最後まで、目を通したものの、読んだというにはおぼつかない。外人さんが書いた作品だからか、文体がぎごちなくて、読みづらいし、あまりのめり込めない。それで、流すように文字をおった。
上巻の最後で、鎌倉東慶寺に駆け込み、北斎の弟子だった夫と離縁を得たお栄。
下巻の最後では、再び訪れた東慶寺で、北斎なきあと、その贋作をする弟子たちに、北斎の落款を要求されて断り、刺殺されて終わる。

下巻の最初に登場するのが、あのシーボルト。唐突な気もしたが、お栄が好きになった男の一人として、登場。江戸に赴いて、将軍の謁見を待つ間滞在した長崎屋で、お栄は北斎の代理として面会する。どちらも変わり者で、引かれるものを感じたようだ。
その後、幕府に捕まり、のちに放免されて日本を去ったシーボルト。

シーボルトと会い、なにかを渡したのではんしかと役人に疑われた北斎とお栄は、逃げるように江戸を出て、浦賀へ。北斎は海と波に夢中になる。その後栄は単身江戸に戻る。新しい女の弟子に画を教えて過ごす栄。
そんなときに現れたのが英泉。北斎の弟子の頃は不遇で、一人立ちしてから美人画で有名になった男。そして栄の才能を認めていた男。北斎を離れて、自分の絵を追求するように言ってくれたが、栄は父からは離れられなかった。
女たらしで妻もいる英泉と栄は関係も持つ。栄は笑い絵に手を染める。英泉と春画を描いた。

北斎と栄は取り締まりが厳しく、注文も少ない江戸を旅立ち、信州の豪農で武士、文化の庇護者である高井鴻山のもとに。小布施。一見穏やかな暮らしだと思ったが、そこは佐久間象山ら開国派の溜まり場でもあった。やがて、北斎が動けなくなり、江戸に戻る。中風のせいか精神錯乱を起こす北斎。そんなとき栄は日用女重宝記の絵を頼まれる、金にもなり、評判にもなる。

弱ってきた父より先に旅だったのは英泉だった。栄の大切な友。そして衰弱した父、北斎が後を追う。盛大な葬儀だった。

しばらくして、栄は旅に出る。そして京へ。江戸に戻ってみると、北斎の弟子たちの跡目争いに悩まされる。数ある北斎の弟子の別号を勝手に名乗るものもいる。
将来を心配した弟が引き取ると言ってくれたものの、いまだ夢の中にいた栄。浦賀を再訪すると、なんと黒船がいる。現実にせまる海外を見る。北斎の弟子に頼まれて、横浜の版画店に。居留地の晩餐会に招待された栄。海外で評判な北斎の娘として。

江戸に戻った栄はコレラ騒ぎと大地震に遭遇。
そんなとき、一緒に京へ旅した志乃が、今は盗賊に慶寺の住職だと知る。

横浜に戻り、版画屋で下絵を描くことに。その店に現れたのがシーボルトの息子。やがてシーボルト本人とも再会した栄。

絵を描くために旅に出た栄は途中で気を変えて、鎌倉に向かう。そして、死を迎えた栄。