高瀬川女船歌シリーズ第8作、6編からなる短編集。
宗因の回りには次々と新たな人物が加わってくる。宗因が居酒屋を始めて、はや10年。
角倉家は京奉行と称される。今は名目に近い存在だが、それでも高瀬川周辺の治安を維持するために、会所には武士を雇っている。その一人で、目付の大槻伝蔵は、丹波篠山城下の出で、彼は三男。剣の腕はあるが、横着者で、養子の先もなく、親戚でもやっかいもの扱い。京矢敷の留守居役の目にとまり、すみくらかいしょに雇われた。亡父の法事に里帰りした伝蔵が京に戻る様子から始まる、最初の編。亡父のもとにいた小者の次男佐七は厄介者扱いされていて、京で働きたいというので、伝蔵は連れてきた。初めは船引人足として働きはじめた佐七は、偶然絵の才能を認められ、近所にすむ扇絵師に弟子入り。
尾張屋の常連の隠居重兵衛が仕えていた幕府御大工頭中井家の下で働く左官屋の息子藤助が、最近ならず者に何度も痛め付けられたことを知った宗因は、その悪人を見つけ、退治する。原因は、左官屋の息子が思いを寄せる、会所に勤める女子、お琴に横恋慕する商家の若旦那が嫉妬からなしたもの。お琴にはいわくがあり、嫁にいく気は今はない。そのいわくが晴れるのが最後の編。
幼い頃逃げ込んできた盗賊に父親を殺された上、母親が盗賊と行を共にした。その際に見せた母の笑い顔がお琴にはしこりとなっていた。まるで父と琴を捨てるように去った母の真意はなんだったのか。十年あまりたっても琴には克服できない。それを忘れるように好きな小鼓に打ち込む琴。
目の前で襲われてる娘を助けようとしてもみあい、ならず者を殺してしまった八百屋の息子朝吉は遠島になる。5年の務めを果たした朝吉だが、迎えるものはない。火事で店も家族も亡くしていた。偶然それを知った宗因は彼を引き取り、今後の生活に助力する。仕入れた野菜を大八車で売り歩く八百屋にする。
そんな朝吉がスリに巾着を入れられたのをきっかけに、宗因はスリの一味を取り押さえる。そこへ飛び込んできた話。朝吉が島流しになるきっかけの娘、お咲は、その後両親をなくし一人となり、それなら自分を助けてくれた朝吉の帰りを待ち、夫婦になろうと決意。あさきちの帰りを待ち待っていたという。晴れて対面した二人。
船人足の弥助と佐七は三条小橋の上に置き去りにされた幼女を見つけ、宗因の店に連れてくる。調べてみると、父親は博打で借財をつくり家を出、借財の返済のために母親が連れていかされることになり、子を置き去りにしたらしい。事情を知った宗因らは悪人どもをこらしめる。
野菜の曳き売りを始めた朝吉とお咲、宗因らの肩入れで順調に商いをしていたが、一月後、厄介な男たちに付きまとわれる。朝吉が人殺しで島帰りだと客に叫ぶ。思わず反抗したくなる思いを抑える朝吉。それを知った宗因が男たちを捕まえて、事情を聴くと。殺された兄貴分には妻と子があり、いま困窮している。流行っている朝吉の商いに嫉妬と恨みから起こした。宗因の働きで,男たちは手を引く。そんな折り、雨で増水した川に落ちた子供を身の危険も省みず、朝吉は飛び込み助け出した。礼を言いに現れた母親はなんと朝吉が殺した男の女房だった。因果の不思議。
船人足をやめて、絵師として働きはじめた佐七。夜回りの老人が病や怪我で出られなくなり、代わりを申し出た佐七。そんな佐七が夜回りで出くわしたエピソード。酔いどれの扇絵師をうそで更正させる。四条京極の地蔵前で見つけた捨て子は会所が引き取る。
佐七の師匠が扇絵を頼まれる扇問屋の跡取りの祝言の夜、侵入してきた盗賊たちは、折しも翌日の襲名披露に出るため泊まっていた宗因と伝蔵に捕まる。その一人は、台所の手伝いに借り出されていたお琴の母親だった。もともと盗賊の情婦だった母が。父の押しに負けて所帯をもったが、もとに戻っただけと言い、自害する。後味は悪いが、お琴には長年の気がかりがなくなり、新たな生活ができるだろう。
宗因の回りには次々と新たな人物が加わってくる。宗因が居酒屋を始めて、はや10年。
角倉家は京奉行と称される。今は名目に近い存在だが、それでも高瀬川周辺の治安を維持するために、会所には武士を雇っている。その一人で、目付の大槻伝蔵は、丹波篠山城下の出で、彼は三男。剣の腕はあるが、横着者で、養子の先もなく、親戚でもやっかいもの扱い。京矢敷の留守居役の目にとまり、すみくらかいしょに雇われた。亡父の法事に里帰りした伝蔵が京に戻る様子から始まる、最初の編。亡父のもとにいた小者の次男佐七は厄介者扱いされていて、京で働きたいというので、伝蔵は連れてきた。初めは船引人足として働きはじめた佐七は、偶然絵の才能を認められ、近所にすむ扇絵師に弟子入り。
尾張屋の常連の隠居重兵衛が仕えていた幕府御大工頭中井家の下で働く左官屋の息子藤助が、最近ならず者に何度も痛め付けられたことを知った宗因は、その悪人を見つけ、退治する。原因は、左官屋の息子が思いを寄せる、会所に勤める女子、お琴に横恋慕する商家の若旦那が嫉妬からなしたもの。お琴にはいわくがあり、嫁にいく気は今はない。そのいわくが晴れるのが最後の編。
幼い頃逃げ込んできた盗賊に父親を殺された上、母親が盗賊と行を共にした。その際に見せた母の笑い顔がお琴にはしこりとなっていた。まるで父と琴を捨てるように去った母の真意はなんだったのか。十年あまりたっても琴には克服できない。それを忘れるように好きな小鼓に打ち込む琴。
目の前で襲われてる娘を助けようとしてもみあい、ならず者を殺してしまった八百屋の息子朝吉は遠島になる。5年の務めを果たした朝吉だが、迎えるものはない。火事で店も家族も亡くしていた。偶然それを知った宗因は彼を引き取り、今後の生活に助力する。仕入れた野菜を大八車で売り歩く八百屋にする。
そんな朝吉がスリに巾着を入れられたのをきっかけに、宗因はスリの一味を取り押さえる。そこへ飛び込んできた話。朝吉が島流しになるきっかけの娘、お咲は、その後両親をなくし一人となり、それなら自分を助けてくれた朝吉の帰りを待ち、夫婦になろうと決意。あさきちの帰りを待ち待っていたという。晴れて対面した二人。
船人足の弥助と佐七は三条小橋の上に置き去りにされた幼女を見つけ、宗因の店に連れてくる。調べてみると、父親は博打で借財をつくり家を出、借財の返済のために母親が連れていかされることになり、子を置き去りにしたらしい。事情を知った宗因らは悪人どもをこらしめる。
野菜の曳き売りを始めた朝吉とお咲、宗因らの肩入れで順調に商いをしていたが、一月後、厄介な男たちに付きまとわれる。朝吉が人殺しで島帰りだと客に叫ぶ。思わず反抗したくなる思いを抑える朝吉。それを知った宗因が男たちを捕まえて、事情を聴くと。殺された兄貴分には妻と子があり、いま困窮している。流行っている朝吉の商いに嫉妬と恨みから起こした。宗因の働きで,男たちは手を引く。そんな折り、雨で増水した川に落ちた子供を身の危険も省みず、朝吉は飛び込み助け出した。礼を言いに現れた母親はなんと朝吉が殺した男の女房だった。因果の不思議。
船人足をやめて、絵師として働きはじめた佐七。夜回りの老人が病や怪我で出られなくなり、代わりを申し出た佐七。そんな佐七が夜回りで出くわしたエピソード。酔いどれの扇絵師をうそで更正させる。四条京極の地蔵前で見つけた捨て子は会所が引き取る。
佐七の師匠が扇絵を頼まれる扇問屋の跡取りの祝言の夜、侵入してきた盗賊たちは、折しも翌日の襲名披露に出るため泊まっていた宗因と伝蔵に捕まる。その一人は、台所の手伝いに借り出されていたお琴の母親だった。もともと盗賊の情婦だった母が。父の押しに負けて所帯をもったが、もとに戻っただけと言い、自害する。後味は悪いが、お琴には長年の気がかりがなくなり、新たな生活ができるだろう。