祇園社神灯事件簿第4作。

今回も4つの事件が扱われる。



夜明けた祇園社の四条御旅所の前に首を絞められた女の遺体が見つかる。当夜近くの商家では盗賊が盗みを働いていた。通りかかった神灯目付の頼助は、音なの履き物に押された家紋から、盗賊の入った店の雇い人だと判明。今回は頼助たちの活躍はあまりない。

話は目付たちを介入させぬまま、商家の主で、盗賊の頭でもある男の変転した運命を語る。生き別れの妹の行方を長年探していた盗賊のかしら。なんと手下に殺された娘が生き別れた妹だと知るや、下手人の始末を部下に命じ、盗んだ金を返して、単身自首する。



祇園社の西の楼門前にいつからか、毎月二十九日に、商家の主と思える男が誰かを待つように立っていた。神灯目付の先役である孫市の記憶では二十数年も一人の男が立っていた。現れた、そのあとをつけて身元を確かめた頼助は、その主が襲われるのを助け、襲った連中のあとをつけて、潜り込み、襲撃のわけと首謀者を知る。二十年あまり前に襲った大地震で、長屋住まいの母と息子と娘の3人暮らしが生き別れとなる。はぐれたら、祇園社の西楼門前で落ち合う約束。落胆を重ねながらも二十数年待つ男の執念。それが効を奏したのか。しかし母と娘は女郎にされて苦吟を重ねていた。



奉公に出ていた兄が、店の金を盗んだと家に戻され、父親はなけなしの金をとられた上に、ひどい罵詈雑言を浴びせられた。兄が、自殺したあとに、若旦那と手代の策略だと知り、父は店をたたみ、敵討ちに出かける。残された弟と妹は祇園門前の草むらで待つこと3日。彼らを保護した頼助ら。父親が祇園社にも祭られている蘇民将来の信心に厚いと知り、一肌ぬぐことに。問題の店に出掛けた頼助は、死んだ兄が将来を誓った娘が若旦那を襲う寸前に助け出す。近くで様子をうかがう父親も見つけて、祇園社にかくまう。

神になりかわり、天誅の剣をふるう頼助。



禁裏御用の紙屋を見張る御高祖頭巾の怪しい女。高下駄による歩き方に特徴があるという孫市。頼助が行ってみると、その女が襲われていた。賊を倒して吐かせてみると、どうやら紙屋の主に納まった先代の甥が、駆け落ちした先代の娘の遺児を始末しようとしたのだとわかる。女は逃げ出したが、さいわい日頃頼助が手懐けていた祇園社に住む梟、タケルが住みかに案内してくれる。