高瀬川シリーズ第6作。第5作が図書館になかったため、1巻飛ぶが、あまり支障はない。今回も6作の短編で構成されていて、其々の作での事件や騒ぎは1作で一応完結している。
ただ全作を通じて続くものもある。なじみの登場人物ももちろんそうだが、今回は新たな人物が全編を通じて描かれる。

それが美濃の加納藩からの仇討ちの客。郡奉行村回り役の父親を亡くした、妻の加奈、長子大炊助、下僕安五郎。
当年14才の大炊助らは2年前に国許をたち、敵を求めて京に来た。母親は長い道中の疲れから、寝込んでしまうが、柏屋のお鶴らは、事情に気づきながらも受け入れる。
剣術の稽古もしたことがない大炊助に会所の居候として受け入れ、会所の目付大槻に剣術を教えさせる頭取。
昔博打がもとで半殺しの目に遭った安五郎を助け、下僕にした大炊助の亡き父親。以来、博打にてを出さなかった安五郎だが、仇討ちの目処はたたないうえ、奥さまの病。まとまった金が要ると、博打に手を出す安五郎だが。勘がするどく、賽の目が当てられる彼なら、大儲けもたやすいが、胴元のやくざに狙われる。そう案じた宗因が乗り出す。

うまずめの娘が離縁されたのに、町内の同じ年頃の娘の幸せに嫉妬した母親が、その子供をさらい捨てた。さいわい人夫仕事の帰り道に捨てられた子を見つけた安五郎の機転で、騒ぎは収まる。さらった母親も自訴し、寛大な罰を受ける。

店に生け捕った鯉をもちこんだ少年に同情し、高く買い取ろうとした宗因は、まっとうに生きたいから、同情は受けないと拒否する少年に興味を抱く。父親はもとやくざだが、生まれた子のために足を洗おうとして、やくざに付きまとわれ、禅寺に入っているという。それでもやくざに狙われているという話に、宗因が乗り出す。

高瀬船の客が、預けた荷物を取り違えて帰った。中身を確かめると、いくつかの位牌と高価な装飾品。それは盗賊の持ち物ではないかと疑った宗因は、取り返しに来る盗賊の備えを万全にして待ち受ける。現れたのは足を洗った盗賊の見張り役。位牌などを永代供養にするつもりだったという、もと盗賊の言葉に心打たれる宗因。

会所のお使いで外出した大炊助が帰らないと騒ぎになる。