ようやく読み終えた。最後の一編を今。祇園社神灯事件簿シリーズ第一作。
主人公は公家の庶子である植松頼助。馬庭念流の使い手で、今は祇園社や関連する神社の神灯の見廻りと社の夜警のような仕事をしている。下級神職である犬神人イヌジニンの一人。
公家の庶子に生まれ、本妻に疎まれ、鞍馬の山村で暮らしていた。そこに本妻が雇った刺客、村国惣十郎が現れ、頼助を襲ったが、山里暮らしの腕白に竹藪の竹に目を打たれ、失明し、戦意を奪った。
新たな刺客を避けようと、若狭の神社へ向かう頼助は、銭のために刺客を引き受けた惣十郎を見捨てられず、連れていく。若狭神宮寺にて13年をすごした頼助は、惣十郎から馬庭念流を授けられ、野性的だが眉目秀麗の若武者となった。
枯れを殺そうとまでした本妻が心を入れ替え、無事成長した頼助を喜び、今の職を斡旋して、京に呼び戻した。
そんな頼助が活躍する四編の事件簿。
刺客に旅立つ折りに、惣十郎は身ごもった妻を残していた。盲目ながら勘が鋭く、並みの盗賊相手なら腕もある惣十郎は、今は頼助と祇園社内に住み、頼助の相談相手。暮らしも落ち着いた惣十郎は別れた妻を密かに探し始める。頼助には話しづらく、南門前の茶屋,中村屋の娘うず女に連れられ、町歩きをしていた。
そんな折りに頼助に見つかった狐の面をかぶる、賽銭泥棒をしていた少年吉松。義母とその男に盗みをやらされていた少年を自由にするために活躍する頼助。八坂の狐。
中村屋に出入りする炭屋の手代源助、暖簾分けの話が頓挫した上、火事で焼死。祇園社のおけら火と関係があると頼助が探索する。
比叡山に籠るといって、役をやめた前任の神灯目付役、孫市が現れる。年末の神事おけら詣りに忙しい頼助を手助けしようとしてか。以後、孫市は頼助の家来のようにして、行を共にする。おけらの火。
孫市に連れられ、料理茶屋、美濃屋を訪れた頼助は、隣座敷で絵を描く円山応挙と知り合う。その弟子宗五郎の見事な絵に感服する。その宗五郎が、兄弟子に嫌がらせを受け、落ち込んでいくのを憂い、一肌ぬぐ頼助。花籠の絵。
祇園祭が近づき、町の警戒が強まるなか流れる噂。寺社が秘蔵する屏風絵は祭りの際に公開される。その絵が色褪せていくという怪異が起こっている。祭りの妨げになってはと、調べ始めた
頼助。泥棒騒ぎの際に役人に誤って殺された武士の子が、屏風絵が名高い寺の半僧半俗の雑仕、仲蔵が怪しいと頼蔵が出っ張ってみたが。
なんと怪異の正体は絵の裏にひそむ油虫だった。そして、探していた惣十郎の妻と息子が見つかり、再会。祇園社内で暮らすことになる。奇妙な刺客。これは惣十郎のことではなく、頼助が疑いを抱いた男のことか。盗賊と間違えて、外出から戻った武士を斬殺した見習い与力。今は筆頭与力となり、人情味がある与力として評判な上、毎年男の両親の墓参りをする与力に、男は恨む気持ちを失っていた。祭りの最中に敵討ちかと疑った頼助だが、当てがはずれた。しかも絵の怪異の謎解きもその男だった。
澤田さんの「天皇の刺客」に登場した頼助が主人公のシリーズというので、読んでみたが、なかbなかいい。全部とはいかなくても、あと数冊は読んでみようか。