みとや、お瑛仕入帖シリーズ第一作。以前に続編を先に読んだが、やはり
こちらから読むと、登場人物がよくわかる。
日本橋で濱野屋という小間物屋を営んでいた両親を5年前、永代橋の崩落で亡くした兄の長太郎と妹お瑛の兄妹。借金取りが現れて、店を閉め、手放した二人に救いの手を差しのべてくれたのは、亡き母の知り合いだという柳橋の料理茶屋柚木の女将お加津。
もと手代だった益次が昨年現れて、
在所で成功したといい、浅草橋近くのしもたやを手にいれて、お金まで融通してくれた。それで何でも屋を始めた兄妹。何でも三十八文ということから、みとやと名付けた店。
兄が知り合いを訪ねて仕入をし、妹は店番と仕入帖をつける。
小藩で勘定方に取り立てられたものの、嫉妬され、罠にはまり藩を追われた浪人親子と知り合うお瑛。世を悲観して自堕落な父親を改心させた息子。
みとやの裏長屋に入り、そろばん塾を始める顛末。
兄がどこからか持ち帰った大名が使う護り刀にまつわる話。
和歌が書き込まれた大名の姫様の嫁入り道具の小皿。それにまつわる騒ぎ。
亡き父の煙草入れを持ち帰る兄。もとの店で番頭を勤めていた忠兵衛の孫を見かけたという兄。その孫の幾松が店のお嬢さんに傷を付けたと追い出された。信じられないと調べる二人。
兄が仕入れてきた大量の梅干し。学問吟味が近いと知ったお瑛はお守りとして売りさばく。そこへ顔を見せた益次の毒舌と、亡き両親の店を再興するという宣言。お加津は益次に頼まれて兄妹の面倒をみたと告白。益次が父の異母兄弟で、叔父だとはじめて知るお瑛。
再興間近な店は、結局、益次の陰にいたやくざものに乗っ取られる。追われる益次を助けにいったのは、なんとお瑛。兄のように騙されてないお瑛には数少ない血のつながる者をほっておけない。その心に触れた益次は自首をして、罪を減刑され、ところ払いとなる。
今はみとやを大きくすることに専念し、濱野屋再興は考えないでおこうと決意する長太郎とお瑛。