シリーズ2作目。8編の短編でなる。
脱藩中に、公金横領の真犯人がつかまり、冤罪が晴れたのも知らずにいた宗因。とある事件で、尾張藩の藩士に姿を見られたのがきっかけで、正体がわかる。復藩もできたが、庶民の暮らしに慣れた宗因は、国許の妻子に詫び、
居酒屋の主として、高瀨川近くに暮らすことになる。知力と情をあわせもち、剣の腕もある宗因は、周囲で起きる騒ぎや事件、人々の悩みや苦しみに寄り添い、次第に信頼を得ていく。
高瀬川の治安を守る角倉会所頭取に協力して、高瀬川周辺の人々の助けになる宗因。以降は、彼が主人公となる。

無愛想だが、旨くて安いと庶民に人気の居酒屋、尾張屋。娘のお鶴は柏屋の跡取りの嫁となり、若女将として店をきりもりしていく。

様々な人々に対する宗因の暖かな気づかい、安易なハッピーエンドにはしない作者の話の展開も読みごたえがある。
シリーズを全部読むかどうか迷う。澤田さんの他のシリーズにも興味が湧くし、宗因やお鶴のその後も気になる。
懐妊したお鶴がどんな子を生むのか、宗因は孫とどう向き合うのか?
盗賊の頭と知らずに、後家の寂しさに引かれた女船頭のお時。奉行所役人に惨殺された頭の敵討ちにお時の前に現れた男は宗因が始末したが、お時はその後どうしてるか、やはり気になる。
薄幸の娘、お蕗のその後は。島流しから無事に帰り、嫁ぎ先に迎えられたのかどうか。
シリーズものの楽しみは、登場人物たちへの愛着とその後への興味だろう。やはり、もう少しこのシリーズにも付き合いたいな。