案外と読ませる話だった。
永代橋近くの船宿、松波屋は剛毅で強欲な女将お昌が切り盛りしていた。そして、松波屋は裏の稼業として、とんずら屋も営んでいた。こちらは若手の船頭啓治郎と船大工見習いの十七歳の源太が勤めている。そして、この松波屋にお昌の姪弥生が来て仲間に加わる。
弥生の母親で、お昌の姉である八重は、生家である近江の本陣宿で女中をしていて、近くの小大名の若様と恋に落ち懐妊。次男だった若様が兄の死で跡継ぎとなり、気ままな暮らしが望めないことに気づいた若様は八重を隠し、その死後は密かに鎌倉東慶寺に隠す。生まれた娘が弥生。お昌の失言で八重たちの居所が敵にわかり、寺を出られなくなった弥生は十二歳まで寺の中で育った。
自らの失言で自由を奪われた姉八重を救おうと、とんずら屋を裏稼業にする松波屋に嫁いだお昌。とんずら屋は大きな組織で各地に仲間がいるものの、大名の追手から逃げおおせるわけにはいかないことに気づいた。だから自力で逃げる力を得させようとお昌は姪の弥生を手元に引き取り、仲間にすることで敵から身を守らせようとした。
女であることを隠し若衆姿で船頭を勤める弥生と、一家皆殺しの過去を持ち、お昌が引き取った船頭啓治郎の二人は表稼業でも評判となる。自分の後継者にしようとお昌が思う啓治郎は、亡き妹のように弥生を見、助けようとする。
そんな松波屋に長逗留していた上方の商家の若旦那風の進右衛門。やがて彼が城代家老の息で弥生を狙っているとわかる。さらに弥生の父親である若様を殺したと言われる分家当主の手の者が弥生の回りに現れるようになる。
自分のために計略の犠牲でさらわれた幼い娘を救おうと、単身、捕まえた敵の間者を解き放ち身を任せた弥生。そんな彼らを襲う家老の命で動く家臣たち。危機一髪の危機を救ったのはなんと進右衛門だった。父の家老とはたもとを分かち、新たな殿様の跡継ぎを決めることで弥生を騒ぎから解放しようと画策していた。他家に嫁いだ殿様の姉の子を養子に迎え、弥生の父の養父であった引退した重役を表に引き戻して、側に仕えさせ、家老にも協力させる。
とんずら屋の元締めはお昌の亭主で松波屋の主である市兵衛。草のものを使い、とんずらする客の身元や追手のこと、金払いの有無を調べたりしていた。彼は自分の後継者として、弥生を当て込んでいる。
永代橋近くの船宿、松波屋は剛毅で強欲な女将お昌が切り盛りしていた。そして、松波屋は裏の稼業として、とんずら屋も営んでいた。こちらは若手の船頭啓治郎と船大工見習いの十七歳の源太が勤めている。そして、この松波屋にお昌の姪弥生が来て仲間に加わる。
弥生の母親で、お昌の姉である八重は、生家である近江の本陣宿で女中をしていて、近くの小大名の若様と恋に落ち懐妊。次男だった若様が兄の死で跡継ぎとなり、気ままな暮らしが望めないことに気づいた若様は八重を隠し、その死後は密かに鎌倉東慶寺に隠す。生まれた娘が弥生。お昌の失言で八重たちの居所が敵にわかり、寺を出られなくなった弥生は十二歳まで寺の中で育った。
自らの失言で自由を奪われた姉八重を救おうと、とんずら屋を裏稼業にする松波屋に嫁いだお昌。とんずら屋は大きな組織で各地に仲間がいるものの、大名の追手から逃げおおせるわけにはいかないことに気づいた。だから自力で逃げる力を得させようとお昌は姪の弥生を手元に引き取り、仲間にすることで敵から身を守らせようとした。
女であることを隠し若衆姿で船頭を勤める弥生と、一家皆殺しの過去を持ち、お昌が引き取った船頭啓治郎の二人は表稼業でも評判となる。自分の後継者にしようとお昌が思う啓治郎は、亡き妹のように弥生を見、助けようとする。
そんな松波屋に長逗留していた上方の商家の若旦那風の進右衛門。やがて彼が城代家老の息で弥生を狙っているとわかる。さらに弥生の父親である若様を殺したと言われる分家当主の手の者が弥生の回りに現れるようになる。
自分のために計略の犠牲でさらわれた幼い娘を救おうと、単身、捕まえた敵の間者を解き放ち身を任せた弥生。そんな彼らを襲う家老の命で動く家臣たち。危機一髪の危機を救ったのはなんと進右衛門だった。父の家老とはたもとを分かち、新たな殿様の跡継ぎを決めることで弥生を騒ぎから解放しようと画策していた。他家に嫁いだ殿様の姉の子を養子に迎え、弥生の父の養父であった引退した重役を表に引き戻して、側に仕えさせ、家老にも協力させる。
とんずら屋の元締めはお昌の亭主で松波屋の主である市兵衛。草のものを使い、とんずらする客の身元や追手のこと、金払いの有無を調べたりしていた。彼は自分の後継者として、弥生を当て込んでいる。