いまだ小島だった佃島と対岸の船松町の間、およそ一丁、百九米を往復する渡し舟の船頭を勤める正太。客のほとんどが顔見知りの商売をしている正太だが、実は泳げないし、舟を操るのもそれほどうまくはない。
父の跡を継ぐはずの兄が流行り病でなくなり、書籍商に勤めていた次男の正太が跡を継いだ。父もまもなく亡くなり、天涯孤独になった正太。隣家に住む七十の寡婦の婆さん、ヨシが何かと世話してくれる。
腹痛になった商家の台所衆の若い娘を自宅で休ませる話から始まる。対岸にある砂糖問屋では月はじめの特定の日に佃島にある住吉神社に詣でて、主の自宅の赤土を持参して、神社の白砂を持ち帰るという縁起担ぎを行っていて、今回はその娘の番に。一日奉公人に息抜きさせる意味もあるという。冷えた土を抱き締めていて腹を冷やしたらしい。神社と懇意な正太が案内していくと、逆に白砂を捨てて赤土を掘る男がいる。海ほおずき問屋だとか。
娘が団子状の赤土を捨てると割れて、中から小判が出てくる。これがきっかけで正太は砂糖問屋での盗み事件に関わることになる。
佃島の別宅に妾を住まわせ、座敷に鯉の生け簀を作った薬種問屋の主。その目的は強壮剤の調合だったとは。
商家の主に言い寄られて逃げ出した女は年齢不詳。佃島では働き口がないと知ると、正太の家に置いてもらい、居着いてしまう。夫婦になろうとした矢先現れた男。さらに隣の石川島にある人足寄せ場から逃げた男を追って現れた岡っ引き。
住吉社に貼られた千社札の下で死んでいた男。さらに怪しげな名前の札を調べている隠密回りの同心。抜け荷一味の連絡に使われているらしい千社札。
佃島で葬儀用の紙の銭を作る男。不幸続きで散財しようとした材木商の主のために祝い用の紙銭を注文したたいこもち。それが仇になり、身を持ち崩す職人。
大病した商家の娘がいかがわしい薬や療法の助けが縁でげてもの食いになり、人目のない正太の舟上で持参のげてもので食事する。その娘が家出して正太のもとへ。
悪天候にあい、正太の家に避難した乗船客たち。商家の女主が財布をなくし、潔白を明かすためにはだかになった男たち。大根役者の腹には般若の入れ墨が。
しばらくあとに女主に付き添っていた手代が疑いをかけられていると正太のもとに身を寄せる。女主と役者たちの奇妙な因縁。
人だけではなく、その人が抱えるものまで運ぶ船頭の正太にはあれこれあるものだ。
父の跡を継ぐはずの兄が流行り病でなくなり、書籍商に勤めていた次男の正太が跡を継いだ。父もまもなく亡くなり、天涯孤独になった正太。隣家に住む七十の寡婦の婆さん、ヨシが何かと世話してくれる。
腹痛になった商家の台所衆の若い娘を自宅で休ませる話から始まる。対岸にある砂糖問屋では月はじめの特定の日に佃島にある住吉神社に詣でて、主の自宅の赤土を持参して、神社の白砂を持ち帰るという縁起担ぎを行っていて、今回はその娘の番に。一日奉公人に息抜きさせる意味もあるという。冷えた土を抱き締めていて腹を冷やしたらしい。神社と懇意な正太が案内していくと、逆に白砂を捨てて赤土を掘る男がいる。海ほおずき問屋だとか。
娘が団子状の赤土を捨てると割れて、中から小判が出てくる。これがきっかけで正太は砂糖問屋での盗み事件に関わることになる。
佃島の別宅に妾を住まわせ、座敷に鯉の生け簀を作った薬種問屋の主。その目的は強壮剤の調合だったとは。
商家の主に言い寄られて逃げ出した女は年齢不詳。佃島では働き口がないと知ると、正太の家に置いてもらい、居着いてしまう。夫婦になろうとした矢先現れた男。さらに隣の石川島にある人足寄せ場から逃げた男を追って現れた岡っ引き。
住吉社に貼られた千社札の下で死んでいた男。さらに怪しげな名前の札を調べている隠密回りの同心。抜け荷一味の連絡に使われているらしい千社札。
佃島で葬儀用の紙の銭を作る男。不幸続きで散財しようとした材木商の主のために祝い用の紙銭を注文したたいこもち。それが仇になり、身を持ち崩す職人。
大病した商家の娘がいかがわしい薬や療法の助けが縁でげてもの食いになり、人目のない正太の舟上で持参のげてもので食事する。その娘が家出して正太のもとへ。
悪天候にあい、正太の家に避難した乗船客たち。商家の女主が財布をなくし、潔白を明かすためにはだかになった男たち。大根役者の腹には般若の入れ墨が。
しばらくあとに女主に付き添っていた手代が疑いをかけられていると正太のもとに身を寄せる。女主と役者たちの奇妙な因縁。
人だけではなく、その人が抱えるものまで運ぶ船頭の正太にはあれこれあるものだ。