主人公の中根興三郎は北町奉行所の同心。人並み外れて長身でありながら、武術は全くだめ。定町廻り同心だった兄の急死のために、跡を継いだものの、閑職といわれる両組御姓名係りという奉行所の名簿作成をするだけ。普通は他の役も兼務する職だが、興三郎は五年間これだけを勤めている。したがって比較的時間に余裕がある。
三男坊だった彼に兄は同心には向いていないと、探しだしてきたのが本草学の塾。やがてそれこそが自分に向いていると熱心に学び、いずれは学者になるつもりだった。幼い頃便秘に悩んだ彼を救った薬が朝顔の種だったことに気づいた彼は朝顔に興味を引かれ、今は変種の朝顔を作ることを楽しみにしている。一日で生命を終わる朝顔、一朝の夢でしかない朝顔に夢中になる。彼の夢はいまだ書物でしか知らない黄色い朝顔。様々な朝顔を掛け合わせて、それを作り出そうと毎日記録をつけ世話をする。それだけが楽しみだった。
そんな興三郎が近所の飯屋の女将に引かれる。もとは町奉行所同心の娘で幼馴染みだったが、父親が不正を働き、母子で行方をくらませた。その里恵が五歳の息子を持ち、女将をしているのを知り、心が動く。その雇われ女将の里恵が雇い主の金貸しといざこざになっているのを見かけた彼は、彼女の窮地を救うため、一切売り物にはしていない育て上げた朝顔の変種を差し出す。
その朝顔が縁となって、朝顔好きの旗本や大名と知り合いとなる。その大名が大老井伊直弼だったために、当時世間を賑わせていた、彦根藩と水戸藩の確執や、大老の攘夷派への弾圧、さらには大老を暗殺しようと画策する連中と、関わることになる。妹婿が奉行所の与力であることや、一時的に同僚となった、もと凄腕の定町廻り同心の息子が、攘夷派にそそのかされて辻斬りをしていたことも、興三郎に深く関わってくる。
長い部屋住み時代を経験した同志として、興三郎は忍び姿の大老と心を通い合わせ、大老の依頼で、大輪で黄色い朝顔作りにも邁進する。
大老暗殺者の一人も興三郎の知り人だった。桜田門外の変を知りながら何もできなかった自分を情けなく思いながらも、ついに依頼の朝顔を作り上げた興三郎。
大老の友人である、もと町奉行だった旗本の死に目に間に合わせたことで満足した興三郎はやがて旅に出て、音信不通になる。
三男坊だった彼に兄は同心には向いていないと、探しだしてきたのが本草学の塾。やがてそれこそが自分に向いていると熱心に学び、いずれは学者になるつもりだった。幼い頃便秘に悩んだ彼を救った薬が朝顔の種だったことに気づいた彼は朝顔に興味を引かれ、今は変種の朝顔を作ることを楽しみにしている。一日で生命を終わる朝顔、一朝の夢でしかない朝顔に夢中になる。彼の夢はいまだ書物でしか知らない黄色い朝顔。様々な朝顔を掛け合わせて、それを作り出そうと毎日記録をつけ世話をする。それだけが楽しみだった。
そんな興三郎が近所の飯屋の女将に引かれる。もとは町奉行所同心の娘で幼馴染みだったが、父親が不正を働き、母子で行方をくらませた。その里恵が五歳の息子を持ち、女将をしているのを知り、心が動く。その雇われ女将の里恵が雇い主の金貸しといざこざになっているのを見かけた彼は、彼女の窮地を救うため、一切売り物にはしていない育て上げた朝顔の変種を差し出す。
その朝顔が縁となって、朝顔好きの旗本や大名と知り合いとなる。その大名が大老井伊直弼だったために、当時世間を賑わせていた、彦根藩と水戸藩の確執や、大老の攘夷派への弾圧、さらには大老を暗殺しようと画策する連中と、関わることになる。妹婿が奉行所の与力であることや、一時的に同僚となった、もと凄腕の定町廻り同心の息子が、攘夷派にそそのかされて辻斬りをしていたことも、興三郎に深く関わってくる。
長い部屋住み時代を経験した同志として、興三郎は忍び姿の大老と心を通い合わせ、大老の依頼で、大輪で黄色い朝顔作りにも邁進する。
大老暗殺者の一人も興三郎の知り人だった。桜田門外の変を知りながら何もできなかった自分を情けなく思いながらも、ついに依頼の朝顔を作り上げた興三郎。
大老の友人である、もと町奉行だった旗本の死に目に間に合わせたことで満足した興三郎はやがて旅に出て、音信不通になる。