主人公は十七歳の駿平。無役の御家人野依家の養子となった。生家は瀬戸物屋で、五人兄弟の末っ子留吉。
家督を継いでから二十八年、無役のままで、体が弱いことから隠居を願い、養子を探していた。貧乏御家人と聞いて、留吉の両親は苦い顔をしたものの、末っ子では将来も知れている、どうせなら武士になるのも面白いと気軽に承諾した留吉。養子となり駿平と名付けられた。武術の心得がある養母吉江、十歳の娘もよ、長年奉公する中間政吉の五人暮らし。商家とは違い、静かで厳めしい雰囲気に、最初は戸惑いながらも、慣れていく。野依家は番方の家で、寝たきりの養父に代わり、養母に武芸をならい、武士の言葉遣いや作法を学ぶ。
長年無役の野依家が望むのは役を得て、御番入りすること。最初に目指すのは御徒。上役の目に留まれば御徒目付に昇任することもありうる。
無役の御家人たちを管理しているのは小普請支配、そしてその下の組頭。任官のためにはまずはそれらの屋敷を訪れて面会し、希望職を伝えること。金やつて、あるいはなにかに秀でたものがない小普請が役を得るにはそれしか方法がない。こうして支配役の屋敷回りで面会の順番待ちから始まる。生家にいた頃学問所で知り合った矢萩智次郎が付き添ってくれる。父と兄が役付きで部屋住みの智次郎は根はいいやつだが大雑把で短気なところがある。
任官活動を始めた駿平が自身や身の回りで次々と、様々な役目を見聞きしながら、自身の道を決めるまでを描いた物語。
章名にはそれらの役職が並ぶ。
小普請組、同朋衆、徒組、御膳所御台所、長崎奉行、勘定所吟味、奥右筆、旗奉行・槍奉行。
役得ある役目もあれば、内部で問題がある役目もある。縁あって知った人物を通して、駿平は次第に自分の特技を活かす役職を自覚していく。養家は武官である番方だが、商家での自分が役立てる道は文官である勘定所だと決め、昇任試験に挑む準備を始める。養父母に打ち明けられないで悩む駿平だったが、最初に彼を励ましてくれたのは少女から脱皮しかかっていたもよだった。いずれは妻となすもよに力付けられる。心配は杞憂で、養父母は無役でいるよりは彼が文官になることを認めていた。
落ちたと思った試験だが、のちに合格したことを知った駿平、それを応援する家族たち。立身するのは偉くなることというよりは、一人前になる、人として立つことだと思う駿平。
家督を継いでから二十八年、無役のままで、体が弱いことから隠居を願い、養子を探していた。貧乏御家人と聞いて、留吉の両親は苦い顔をしたものの、末っ子では将来も知れている、どうせなら武士になるのも面白いと気軽に承諾した留吉。養子となり駿平と名付けられた。武術の心得がある養母吉江、十歳の娘もよ、長年奉公する中間政吉の五人暮らし。商家とは違い、静かで厳めしい雰囲気に、最初は戸惑いながらも、慣れていく。野依家は番方の家で、寝たきりの養父に代わり、養母に武芸をならい、武士の言葉遣いや作法を学ぶ。
長年無役の野依家が望むのは役を得て、御番入りすること。最初に目指すのは御徒。上役の目に留まれば御徒目付に昇任することもありうる。
無役の御家人たちを管理しているのは小普請支配、そしてその下の組頭。任官のためにはまずはそれらの屋敷を訪れて面会し、希望職を伝えること。金やつて、あるいはなにかに秀でたものがない小普請が役を得るにはそれしか方法がない。こうして支配役の屋敷回りで面会の順番待ちから始まる。生家にいた頃学問所で知り合った矢萩智次郎が付き添ってくれる。父と兄が役付きで部屋住みの智次郎は根はいいやつだが大雑把で短気なところがある。
任官活動を始めた駿平が自身や身の回りで次々と、様々な役目を見聞きしながら、自身の道を決めるまでを描いた物語。
章名にはそれらの役職が並ぶ。
小普請組、同朋衆、徒組、御膳所御台所、長崎奉行、勘定所吟味、奥右筆、旗奉行・槍奉行。
役得ある役目もあれば、内部で問題がある役目もある。縁あって知った人物を通して、駿平は次第に自分の特技を活かす役職を自覚していく。養家は武官である番方だが、商家での自分が役立てる道は文官である勘定所だと決め、昇任試験に挑む準備を始める。養父母に打ち明けられないで悩む駿平だったが、最初に彼を励ましてくれたのは少女から脱皮しかかっていたもよだった。いずれは妻となすもよに力付けられる。心配は杞憂で、養父母は無役でいるよりは彼が文官になることを認めていた。
落ちたと思った試験だが、のちに合格したことを知った駿平、それを応援する家族たち。立身するのは偉くなることというよりは、一人前になる、人として立つことだと思う駿平。