庄七を助けての武勇伝が評判を呼び、それが人形浄瑠璃に仕立てあげられて評判となり、雪は奴の小万として知られるようになる。
庄七の親分格の黒舟の親仁に諭されて別れた二人。町奉行所まで駆けつけた出入りに関わったことで雪は土蔵に閉じ込められ、一族分家の非難の手前店に置いておけなくなり、嫁にいかないならと奉公に出される。祖母が昔勤めた京で宮仕えを五年することになる。ただしその五年間の雪の行状については明らかにされていない。ただ雪は京の地で志摩という侍に手紙をもらったことをきっかけに、情を交わした。公家に仕える男らしい。尊皇論にかぶれていて、師である竹内式部はのちに京を追放され八丈島に流された。
大阪の兄が急死したため志摩とは別れて五年ぶりに大阪に戻った雪は二十五歳。女でも三年は主となれ、その間に婿を迎えればよいという特例がある。祖母はいたしたかなく雪を跡継ぎとして教育する。炭屋と薬種屋には古くからの番頭があり、判だけを押す新たな番頭も雇われる。
婿候補だった商家の主坪井屋の紹介で、雪は大和郡山藩柳沢家の大身の家来柳沢里恭と知り合い、絵を学ぶことになる雪。諸道に優れた里恭先生。
二年後京で別れた男志摩が大阪に来て、雪は密かに世話をする。
主となって三年、婿取りに消極的な雪に、祖母は判つき番頭を婿にするように命ずるも、雪は承知しない。やがて誰の子かわからないまま妊娠し、婿とりをしないで出産。その直前に店屋敷を番頭たちに譲り渡した。あいにくと死産に終わった雪は、かねてからのもくろみ通り、髪を切り、尼となる。
古本屋の主に和本の聞き書きを取り上げられ、以降の事績が読めなかった著者。
江戸後期の書物によると正慶尼は晩年は転々と知り合いの家に寄宿して過ごし、七十八歳で大往生を遂げたとか。
世間並の女の道を捨て、彼女らしい人生を貫き通した雪、正慶尼は稀有な人生を送った女性だった。そんな女性が二百年も昔にいた。
庄七の親分格の黒舟の親仁に諭されて別れた二人。町奉行所まで駆けつけた出入りに関わったことで雪は土蔵に閉じ込められ、一族分家の非難の手前店に置いておけなくなり、嫁にいかないならと奉公に出される。祖母が昔勤めた京で宮仕えを五年することになる。ただしその五年間の雪の行状については明らかにされていない。ただ雪は京の地で志摩という侍に手紙をもらったことをきっかけに、情を交わした。公家に仕える男らしい。尊皇論にかぶれていて、師である竹内式部はのちに京を追放され八丈島に流された。
大阪の兄が急死したため志摩とは別れて五年ぶりに大阪に戻った雪は二十五歳。女でも三年は主となれ、その間に婿を迎えればよいという特例がある。祖母はいたしたかなく雪を跡継ぎとして教育する。炭屋と薬種屋には古くからの番頭があり、判だけを押す新たな番頭も雇われる。
婿候補だった商家の主坪井屋の紹介で、雪は大和郡山藩柳沢家の大身の家来柳沢里恭と知り合い、絵を学ぶことになる雪。諸道に優れた里恭先生。
二年後京で別れた男志摩が大阪に来て、雪は密かに世話をする。
主となって三年、婿取りに消極的な雪に、祖母は判つき番頭を婿にするように命ずるも、雪は承知しない。やがて誰の子かわからないまま妊娠し、婿とりをしないで出産。その直前に店屋敷を番頭たちに譲り渡した。あいにくと死産に終わった雪は、かねてからのもくろみ通り、髪を切り、尼となる。
古本屋の主に和本の聞き書きを取り上げられ、以降の事績が読めなかった著者。
江戸後期の書物によると正慶尼は晩年は転々と知り合いの家に寄宿して過ごし、七十八歳で大往生を遂げたとか。
世間並の女の道を捨て、彼女らしい人生を貫き通した雪、正慶尼は稀有な人生を送った女性だった。そんな女性が二百年も昔にいた。