お狂言師歌吉うきよ暦シリーズ第四巻で最終巻。ただ最後の一話が書かれないまま著者がガンでなくなったため、物語は完結していない。

小人目付けに頼まれて、その手先となった歌吉だが、小人目付けの一人日向を密かに慕っていた。というより日向も彼女を仕事の手先に使いながらも思っていた。身分の違いはあれど、小人目付けの地位は低いし、貧乏な暮らし。その中に好きな踊りを捨てさせてまで引きずり込むことができない日向は嫁いだ姉の薦めで見合いをし、ついに婚儀をする。器量は普通だが優しそうと思った嫁は、何も積極的にしない。貧乏な小人目付けの家庭では庭で野菜作りをするのが当たり前だが、嫁は一切しようとしない。亡き母が丹精込めた畑を隠居の父親がするはめになる。そんなとき、父は娘から日向は役目上で嫁の過去の汚点を知り、離縁することを決めてしまう。

歌吉とは馴染みの照代が相談事を持ち込んでくる。大奥や紀州家に出入りする坂東流の一派が女同士の色事といちはいちをしていて、そこから抜けたいといっていた娘が自殺、照代に相談を持ちかけたものも川で水死体で見つかる。事件とははっきり言えないが裏がありそうなので、歌吉の知り合いの小人目付けに知らせてほしいと。精姫様に関わる事件から三年近く顔を会わせていなかった歌吉と日向。
彼らはお琴様の次女が紀州様の侍女に化けていた事件をおっていた。そしてそれが歌吉が知らせた件と結び付く。

師匠である歌仙から諭されて、歌吉は祝言前の日向と思い出となる一夜を過ごす。

調べの過程で歌吉が他流派と問題を起こして、歌吉の水木流に損害を起こすことを恐れた目付けは歌仙を呼び出して、歌吉の裏家業を告げる。その心意気に感じた師匠はいざとなれば自分も乗り出すと言う。

毛利家に水木一座として参上した歌吉は狂言の祝儀として下されたカナリア。鳴かずに世話しなく動くだけの鳥に閉口していたらしい。環境が変わったためか歌吉の部屋で暮らし始めたカナリアが鳴いた。

兄が嫁を迎え、家を出て独り暮らしをしようとした歌吉は兄夫婦の反対に合う。小姑を追い出したようで外聞が悪いと。踊りの師匠として独立するか、師匠の内弟子となるか、日向たちの仕事の手助けをすることにも楽しみを持つ歌吉のお狂言師としての覚悟のほどを危ぶむ歌仙は歌吉に忠告する。
嫁を離縁することに決めた日向親子。

二人の行く末はどうなるのかな