主人公は高校三年の千紗、学校帰りにバイトをしている。週刊の横濱のタウン情報をのせる。今はエリアを桜木町から根岸までに絞り、スタッフ五人でなんとかこなしている。社史編纂や自費出版も取り扱い、どうにか存続している。
経営者で編集長だった滝井が持病をこじらせ入院。ためにその代理となった社員小谷が皺寄せで大変なことになっていた。幼馴染みで、密かに思いを寄せていた千紗はなんとか手伝いたいと、バイトとして潜り込み、得意のイラストを書いたりネタ探しをしている。

そんな千紗が遭遇する、横濱の過去と現在を結ぶ、ちょっとした謎に、小谷の助けを得ながら、奮闘する。
千紗の従姉妹で、小谷と同じ七歳年上の美人恵理香。小谷が彼女に一目惚れしたと知った千紗は気になっていた。やがて恵理香は渡米して恋人もできたと知り、ひと安心していたが。ラストの話では、日本人のままでは仕事にもありつけず、結婚しようとした彼氏にも失望して、帰国した恵理香に心が騒ぐ千紗。しかし、小谷ははじめから恋人にはなれない人だと諦めていたらしい。

老舗のマダムが思い出として語った百段階段。震災でなくなったことから、時代が違うと気づいた千紗。マダムの両親の思い出の風景だったようだが、そこにもなにか食い違いがある。

取材先によく忘れ物をする小谷。代わりに借りたランタンを返しにいった千紗はネットに出ていた洋館七不思議を話題にして、喫茶店のマスターから奇妙な反応を得る。洋館を確かめにいったときに知り合った女性。彼女こそ、昔マスターたちが憧れた女性だった。

クラスメイトの菜々美から、彼女の祖母が昔を懐かしんで、知りたがっていることがあると相談をされた。祖母の父親は外国生まれだと話したことがあるが、それがどこだったか。横濱市内の外人居留地だったのか。さらに父親が母にプロポーズしたときに見せてやるといった見晴らしのいい場所。それはどこ?

きっかけはタウン情報紙の一番の広告主からの取引中止。調べてみると、誤解がもとだった。それがきっかけで、その老人の若かりし頃のロマンがあぶり出されてくる。友達の嘘で諦めたマドンナ。彼女の当時の状況が次第に明らかになってくる。

アメリカで結婚すると思っていた年上の従姉妹の単身での帰国と就活をしり、動揺する千紗。従姉妹の思い出を探り当てた千紗。

横濱は無からできた大都会。過去も歴史も興味深いところだな。