昨夜読み始めたら、途中でやめられず、読み終えたのは深夜一時。
酔いどれ小藤次の新シリーズ第九巻。前巻の最後にお伊勢参りに、長い付き合いの紙問屋の主、久慈屋昌右衛門の付き添いとして江戸を旅だった小藤次。
最初の難関は島田宿での大井川の川止め。まともな旅に縁がなかった小藤次には予想していなかったこと。旅人で溢れ、旅籠は満杯、神社仏閣も泊まれるところがない。藤沢まで戻るには老いた二人は疲れていた。神社に久慈屋主従二人を雨宿りさせて、川の見学に赴いた小藤次は、孫娘を連れた老人が襲われるのに遭遇し、追い払う。老人は島田宿で旅籠を三軒もつ分限者紋屋鈴十で、命を助けた礼にと屋敷に止めてもらえることになる。
六日も川止めが続き荒れる旅人たち。それを狙い、京都所司代勤務という侍が胴元となり賭場がたち、地元のやくざが後援。ついに金を失い自害する旅人が三人も出ては放置できない。酔いどれ小藤次一人が頑張っても仕方ないと、川人足や宿の主たちと協力して成敗する。しかし一人黒巫女を逃がす。これが後に小藤次を狙い、最後に成敗される。
川止めで日数を損した一行に、鈴十が提案したのが船で伊勢へ向かう船参宮。懇意の船主に紹介状を書いてもらい、一行は浜名湖の舞阪から大型船で一気に伊勢へ向かう。
今回の旅に久慈屋主の秘めた思いがあった。八歳の頃おかげ参りで伊勢へいった主は出掛けに父親から御師を紹介され、立ち寄るように言われた。そこで会った美しい女性は昔久慈屋で働いたことがあるという。今になると、それは生みの母ではないかと。できれば再会したい、叶わなければ墓参りしたいと願っていた。
伊勢で訪れた母の嫁ぎ先は酒問屋。すでに亡くなっていたので小藤次と共に墓参りを済ませる。

江戸では、小藤次の代わりに研ぎ仕事に出掛けた駿太郎が評判になっていた。父に並ぶのはまだ先だが、並みの研師の域は越えている。

船に乗る前に知り合った数人のおかげ参りの子供たち。同情して、同船させて伊勢に向かった。参拝を済ませた後に、その一人が黒巫女にさらわれ、助けるために単身山奥に出向いた小藤次は、内宮下宮で払いを受けた愛刀にて成敗する。
盗まれた宝刀を取り戻し、宮内で研ぎをかけた小藤次は、その刀で自己の剣術の方を舞のように披露する。

これで年内はしばらく小藤次とは会えなくなるかな。次の新刊は居眠り磐根の息子空也の活躍か。