明治になって二十年、二十歳を迎えたもと旗本の若様たちが一念発起して、新たに開かれた警察学校に入る。
新たな巡査教習所は芝区愛宕町にあった。入校するには試験がある。与えられたテーマでの筆記には自信がなかった若様だが、なかには最初からすらすら書き進める者もいる。はじめから問題を知っている者もいるのだと思う若様。
生徒は大別すると、若様のような江戸に残り政府の役人になったもと旗本の子息、駿府に移った将軍に付き従った旗本の子息、政府ではたいした役をもらっていない薩摩出身者の子息、その他の士族の息子、そして成り上がりの商人の息子。
最初は立場の違いから反問もあったものの、やがて同じ釜の飯を食う合宿を続けていくことで、互いの違いを越えて、理解しあっていく。

入学前に世間を騒がせていた拳銃強盗に出会った若様たち。平民の姫田が銃の訓練の際に怪我をしたことがきっかけで、教習所の銃弾が横流しされている疑いを持ち、調べ始める。入校前に出くわした拳銃強盗の被害者の一人が姫田に似ていることを思い出した若様のひとり。腹違いの兄がいてそっくりだと言われていた姫田は、顔を見られた犯人が間違えて狙っているのかもしれないと、彼を囮にして犯人をおびき寄せようとする。
実地訓練として都内のあちこちの派出所に派遣され、帰りが夜になったところに現れた犯人。待ち構えていた若様らに捕まえられた時に現れたのは、柔道師範の中村。彼が犯人の師で、銃弾横流しの本人。若様たちと連絡を取っていた教習所の幹事有馬が現れたあとに、他の武道師範たちが小銃を手にして、中村の免罪を求める。
そんなあわやのときに現れたのは若様たちの同期の生徒たち。昔の奉行所に縁がある生徒の発案で、みなはしごを担いで現れて、集団の捕り物劇を始める。教習所内にあった小銃はあらかじめ若様たちにより空砲にすり替えられていたために、犯人と師範たちはついに取り押さえられてしまう。
銃弾横流しを調べるために幹事をしていた有馬は、若様たちの卒業と共に教習所を去る。第一期の卒業生となった若様たちは、出身のいかんに関わらず、同期の絆を結び、各地の派出所に派遣されていく。

旗本出身の巡査が活躍する話かと思っていたが、明治版の『教場』のような話だった。