イギリスの作家フィードラ・パトリックの2016年に出版した長編デビュー作で、大評判となり、世界二十国語に翻訳された。
主人公は六十九歳のアーサー。愛妻ミリアムを亡くして男やもめ。子供たちが巣立ったあと、二人で仲良く暮らしてきただけに、いまだに心が癒えず、妻の遺品整理にも手がつかない。
一周忌を前に手をつけてみたら、予期せぬものが現れた。タンスの引き出しから出てきた靴のケース。靴の爪先にあったのはハート型の宝石箱で、なかには金のブレスレットがあった。しかもそれには八つの飾りがついていて、高価なものだとわかる。妻と二人錠前師のつましい暮らしをして来て、贅沢には無縁だっただけに、場違いな印象がぬぐえない。八つの飾り物は、ゾウ、トラ、本、花、指ぬき、絵の具のパレット、指輪、ハート。一番目立ち、アーサーも気に入ったゾウには電話番号が彫られていた。好奇心に負けて、電話を掛けて、妻のことを尋ねてみると、なんと知っているという。ミリアムは電話に出たインドの医師の子供時代の子守りだったと。別れの記念に彼が贈ったゾウだった。
それにより、妻が昔インドにいたことをはじめて知ったアーサーは、他の飾りにもそれぞれ妻の過去に繋がる物語があるように思えて気になる。結婚以前のことをまったく知らなかっただけに、知りたいと思う好奇心と妻の隠された秘密を暴くことになるかもしれないという恐れの板挟みになりながらも、今の無気力な生活を打破するものがありそうな予感に誘われて、他の飾りの秘密を探る冒険の旅に出ていく。
妻に比べて、仕事に専念していたアーサーは子供たちとの会話もまれで、疎遠だった。オーストラリアに移住した長男ダン、近くで夫婦生活をしながら教師をしている娘ルーシー、二人とも妻の葬儀にも来ていない。そんな孤独生活もアーサーをして冒険の旅に駆り立てたのかもしれない。
インドからイギリスに戻り、トラを飼うグレイストック卿、ロンドンに住むフランス人の作家、フランスのパリで、妻の親友だったウェディングブティクを経営する老女と会う。
知られざる妻の若かりし頃のことを知ると共に、画家の友人の弟と婚約したものの交通事故で彼をなくし、友人とも疎遠になったことを知る。過去を隠して結婚した妻は幸せだったのかと悩むアーサー。そんな彼に、妻との幸せな結婚生活を思い出させたのは子供たちだった。
主人公は六十九歳のアーサー。愛妻ミリアムを亡くして男やもめ。子供たちが巣立ったあと、二人で仲良く暮らしてきただけに、いまだに心が癒えず、妻の遺品整理にも手がつかない。
一周忌を前に手をつけてみたら、予期せぬものが現れた。タンスの引き出しから出てきた靴のケース。靴の爪先にあったのはハート型の宝石箱で、なかには金のブレスレットがあった。しかもそれには八つの飾りがついていて、高価なものだとわかる。妻と二人錠前師のつましい暮らしをして来て、贅沢には無縁だっただけに、場違いな印象がぬぐえない。八つの飾り物は、ゾウ、トラ、本、花、指ぬき、絵の具のパレット、指輪、ハート。一番目立ち、アーサーも気に入ったゾウには電話番号が彫られていた。好奇心に負けて、電話を掛けて、妻のことを尋ねてみると、なんと知っているという。ミリアムは電話に出たインドの医師の子供時代の子守りだったと。別れの記念に彼が贈ったゾウだった。
それにより、妻が昔インドにいたことをはじめて知ったアーサーは、他の飾りにもそれぞれ妻の過去に繋がる物語があるように思えて気になる。結婚以前のことをまったく知らなかっただけに、知りたいと思う好奇心と妻の隠された秘密を暴くことになるかもしれないという恐れの板挟みになりながらも、今の無気力な生活を打破するものがありそうな予感に誘われて、他の飾りの秘密を探る冒険の旅に出ていく。
妻に比べて、仕事に専念していたアーサーは子供たちとの会話もまれで、疎遠だった。オーストラリアに移住した長男ダン、近くで夫婦生活をしながら教師をしている娘ルーシー、二人とも妻の葬儀にも来ていない。そんな孤独生活もアーサーをして冒険の旅に駆り立てたのかもしれない。
インドからイギリスに戻り、トラを飼うグレイストック卿、ロンドンに住むフランス人の作家、フランスのパリで、妻の親友だったウェディングブティクを経営する老女と会う。
知られざる妻の若かりし頃のことを知ると共に、画家の友人の弟と婚約したものの交通事故で彼をなくし、友人とも疎遠になったことを知る。過去を隠して結婚した妻は幸せだったのかと悩むアーサー。そんな彼に、妻との幸せな結婚生活を思い出させたのは子供たちだった。