『明治・妖モダン』の続編。
今回は底流にひとつの謎がある。明治維新の動乱期に、廃仏毀釈のため、とある小藩の寺院と四つの別院が破壊され、そこにいた僧たちと仏像が紛失していた。村人は何も話さず、謎は深まるばかり。
そしてお馴染みの 牛鍋屋につどう面々が 、どうやら四つの別院に関わりがある様子。
五人の僧が集まるときたたりが起こると言われている。そんなたたりがおこるような出来事が起こったのかどうか。

その寺院の江戸の別院跡へ呼ばれた二人の巡査原田と滝。内務省の官僚阿住の護衛として呼ばれた。古くなった仏塔を倒すつもりが強風により倒れてしまい、塔に飛び込んだ赤手が行方不明となる。下敷きになりそうな官僚を助け出したことで,以後ひいきにされて何かと用をいいつけられる二人の巡査。赤手は四つの別院のひとつにいた仏像だったのか。

昔好きだった瀧に再会し,近くにすむことになった資産家の後家花乃がはまりこみそうになった新興宗教。瀧らの働きでそこを抜けて、牛鍋屋で働き始めたのとは逆に、瀧たちはたたられたかのように事件に巻き込まれていく。

写真術が評判となり女学生の写真による美人コンテストがうわさになり、それが引き起こした事件にかかわる瀧と原田。
小藩出身の若者が阿住の子だと主張する母親。その若者が殺され、犯人探しを阿住に頼まれた二人の巡査。見つかった犯人は分家の主で、あやかしにより闇に葬られた。

上野の競馬場で家族と軍用馬が銃撃され、阿住により呼ばれていた瀧が逮捕される。内務省官僚の言葉を無視してまで逮捕するのは誰か。
軍人が影で糸を引いていた事件を解決する巡査たち。

たたりのうわさが煉瓦街の裏でささやかれる裏には何があるのか。噂のもとはあの寺院破壊。調べを進める阿住の屋敷が放火され、鬼神の瀧により火事場から助け出された阿住。内務省と張り合う司法省の官僚大月。彼こそが維新時にあの村にいて寺院の破壊を行った。死体を菜種油を運ぶ船で東京に運び、別院跡に埋めたことが明らかになる。殺された僧の供養もようやくできる。

阿住もあやかしのものだった。真実を話す相手もなく、時を越えていきるのは恐ろしいから、以後も二人の巡査をひいきにするつもりだと、ほとぼりが覚めた頃の手紙に書いてくる。