女の身で史書漢籍を読みこなす才を持ち、男だったらと父親を嘆かせた女人が、物語を書こうとして書きあぐねている。それで父から密かに譲り受けた他言無用の秘書『かがやく月の宮』をひもとくという体裁で始まり、最後にはこれに負けず劣らぬ作品となる『かがやく日の宮』を書こうとするところで終わる。それが源氏物語。

そして彼女が読んだ奇書の中身が、この作品の本体となる。いわゆる竹取物語の異伝ともいえる別の物語が展開する。

かぐや姫と月が関係あるのは一緒だが、奇書では、日と月のペアの変遷を古代ペルシアの秘教から中国の神仙思想に結びつけ、西王母を月神に比定する。さらにそれが日本神話のアマテラスとツキヨミの関係に繋がると説明。
さらに中国の神仙思想の書、抱朴子の引用でかぐや姫を玉女、玉姫と同定する。日月が合一するときに玉姫は極まるとも。それは不老長寿などの福徳をもたらす秘宝だと。

現天皇の父帝の時代に創業間もない唐を侮り、朝鮮に出兵するも、父帝の死で休戦していた唐の皇帝から使者が来る。ありていにいえば臣従を求めている。出兵時の将軍はかぐや姫の難問につまづき、現帝はまだ若い。返事を引き延ばすことしかできない。
そんな孤独な天皇はいまはなき兄である皇太子や姉女官の面影を追うばかり。そしてかぐや姫にじかに会いに行き、彼女こそいまは亡き姉宮ではないかと思う。かぐや姫が昇天したと言われるとき、どうやら現天皇は密かにかぐや姫を訪れ、日月の合一をなしたかのようにも私には読めたが。以後、生まれ変わったかのように、唐への断固たる返書をしたためるほどの変化を見せる。かぐや姫の翁が最後に天皇に献上した秘薬。それこそが玉姫だったのか。天皇はそれを求める唐の皇帝に献上しないで、富士の山に投棄する。あの世との通路と思える場所に秘薬をまく。
結局かぐや姫は人ではなく、求めるものの願望を写し出す鏡のようなものだったのか。
読み方がおかしいのか、よくわからなかったというほうが正しいのかもしれないが。それはともかくなかなか楽しい物語だった。古代史や竹取物語に詳しければ、もう少し深く理解できたのかな。