著者はイギリスの児童文学作家。

ロンドン郊外のウィンブルドンに住む十歳の少女ハーモニー。無類の動物好きなのに、両親も姉も動物なんて汚いだけと飼うことを許してくれない。彼女の手元にあるのは祖母の形見の犬のぬいぐるみだけ。
動物好きなハーモニーは回りの人間を動物に見立てるのが得意。その動物の姿を描き、顔だけ人間にしたスケッチブックをつくるほど。
そんなある日現れたのは父の弟で、長らくインドに暮らしていたジンジャーおじさん。頭が固い両親や気取り屋の姉とは違い、見かけは熊のようでも、明るくてざっくばらんなおじさんが気に入ってしまったハーモニー。二週間の滞在があっという間に過ぎ、おじさんが出ていくとき、ハーモニーがもらったプレゼントは五十ペンス硬貨一枚。さらになぞなぞのような文句。それを解き明かしながら、宝探しをして発見したのは、そのコインが魔法のコインであること。
描かれている女王の鼻が向いている端を擦ると、願い事が叶う。七角形だから願いも七つ。

ハーモニーが最初に願ったのはもちろん動物。私だけの動物がほしいと。すると交通監視官のおじさんがうさぎをかかえて玄関にいる。お宅から逃げ出したのではないかと。違うとわかるが、ものほしそうなハーモニーを見て、預けてくれた。

自転車、腕時計、五十ペンス硬貨を入り用な母の日願いを避けること、姉の願いでアメリカでの短期滞在、学期末まで学校に行かなくて済むこと、そして最後に願ったのはインドで病に倒れたおじさんが無事に帰り、近くで暮らすこと。

最初は家族とは疎遠だったハーモニーは願い事が叶う度に起きる出来事がきっかけで、次第に家族に溶け込み、家族としてひとつになっていく。

無事おじさんが帰り、一緒に過ごす機会が増えたハーモニーは、ふたたび魔法が使えるかもしれないコインを誰かの役に立つようにと、公園に投げ入れる。