オーストラリアの女性作家による中華風帝国を舞台に、竜と心を通わせる少女を主人公にした冒険ファンタジー作品。

十二頭の竜に守護されている天竜帝国では、十二支の竜の声を聞けて、自然を操ることができる竜眼卿が皇帝に次ぐ権力を持っていた。普通は目では見えない竜の姿を見ることができる能力を持つ少年は、訓練を受け、将来に竜眼卿となる見習い候補生として認められるための儀式に参加する。男子しかチャンスがない、その儀式に少女の身を少年に化けて参加したイオナことイオン。
十代の女性として生理もあり、体も貧弱で武術も今一つなイオンだが、すべての竜を見ることができる異能を持っている。それを見いだしたかつての虎の竜眼卿ブラノンはイオナを引き取り弟子にして見習い候補イオンとして育てた。

鼠の年の竜眼卿イオは、精力の衰えた皇帝にとって代わろうとする皇帝の弟セゾンに荷担し、竜眼卿評議会を掌握しようと画策していた。

通常は儀礼的な演舞で見習いを選ぶのに、会長となったイオは実戦試合に選考法を変えて、自分に対抗する見習いを潰そうとする。

精一杯の頑張りで儀式に望んだイオンだが、試合相手が剣術教師では勝ち目がなく、負けてしまう。それで終わりかと思った時、長年姿を消していた、他の竜に倍する体を持つ幻の竜、鏡の竜が現れて、なんとイオンを自身の相手に選ぶ。
それにより変則的にではあるが、イオンは見習いを通り越して、鏡の竜の竜眼卿になる。

通常、竜に選ばれた見習い候補は竜と心を通わせることで、竜の持つ能力を利用できるようになるのだが、イオンはそれに失敗する。心を通わせるときに互いの真の名前を交換するのだが、女性であることを秘していたイオンはイオナという名前を明かさなかった上に、竜の名を聞き漏らしてしまい、呼びたいときに竜を呼び出せない。

女性であることも、竜とは真の交流ができてないことも秘して、鏡の竜眼卿の屋敷がないため、皇帝の宮城に住まいを与えられたイオン。

もとの主人であるブラノンの侍女であるリラがイオンの身の回りの世話をすることになり、宮廷の女装男ディーラー嬢、宦官の護衛ライコという味方を得て、ひと安心するイオン。弟の反逆を恐れる皇帝と皇太子から期待を寄せられる。
鏡の竜のことをしるした書をイドの屋敷から盗み出したイオンは、それが見慣れない文字でかかれていて読めないとわかる。