守り人シリーズ第七巻。チャグム皇太子を主人公にした物語としては、『虚空の旅人』に続き、二巻目。

前作でのチャグムのサンガル王国から一年後、十五歳となり成人したチャグム皇太子。
サンガルとのやり取りが途絶えたと思っていたら、サンガル王からの救援の知らせが来る。南の大陸に覇をとなえるタルシュ帝国は南の大陸のほぼすべての国を支配し枝国となし、北の大陸攻略のために動き出した。
救援依頼の知らせにサルーナ王女の信書が添えられてないことに疑問を抱いたチャグム。しかし皇帝はそれを無視して救援の艦船を出すことに決める。罠であることを考え、三割ほどの二十隻の艦船を送るが、司令官にはチャグムの母方の祖父にあたるトーサ海軍提督を当てる。チャグムを疎ましく思う皇帝には彼も目障りな存在であった。出港後に届いたサルーナ王女の信書。一見訳のわからない文章だが、罠であることを知らせてきた。皇帝に知らせると、チャグム自身で祖父を引き留めに行けと言い、狩人であるジンとユンをつける。
祖父に追い付いたものの、今さら引き返せない。共にサンガルまで航行。サングル軍の迎えに会うと、祖父は旗艦一隻で従い、残りを沖合いで待機させ、帰国させる。サンガル司令官の待つ島に到着し、武装解除を申し込まれた祖父は船員すべてを捕虜として生き延びさせて、自らは船と共に海に消えた。

捕虜となったチャグムはジンの助けで逃げ出したものの、前から彼を監視していたタルシュのスパイとなった男ヒュウゴに捕まり、タルシュ帝国で北の大陸の攻略を任されている第二王子ラウルに引き渡される。もとは南の大陸のヨゴ皇国の民だったヒュウゴは、長らく監視していたチャグムに希望を抱き、国を滅ぼさずに生き延びるためにタルシュの枝国になることを画策した。
たとえ枝国になりタルシュの攻撃を回避しても、その後は北の大陸諸国攻略の尖兵とされ、恨みを買うだけ。しかもその間に多くの命が失われる。それを思うとチャグムには素直に従えない。
ラウル王子に会うまでの旅で見聞きしたタルシュ帝国の広大な領土と発達した町並みに圧倒されながらも、チャグムは従えない。ラウル王子に従った振りをして捕虜となった兵をつれてサンガルまで帰ってきたチャグム。考えた末に思い付いたのは海に飛び込んで自殺したことにして、タルシュに抵抗する方策に努めることだった。
こうなると、続きも読まないとおさまらないな