時代はアメリカ南北戦争後三十年あまりの1899年、アメリカ南部のテキサス州の田舎町に住む十二歳間近な少女の夏から新年を迎えるまでの半年の経験を描いた作品。
七人兄弟の真ん中で唯一の娘であるキャルパーニアは、好奇心旺盛で元気な女の子。十七歳の長男のハリーからもらったノートに、興味を覚えて観察した身近な植物や動物の様子を書き留めていた。疑問があれば祖父に聞けばいいと兄に言われ、恐々祖父に会いに行く。
南北戦争に従軍し、敗戦後は綿工場を立ち上げるのに専念し、息子に継がせて、今は引退生活。趣味の蒸留酒作りや自然観察をしている変人で、食事の時以外は部屋に閉じ籠っているので、子供たちは少し怖がっていた。
勇気を振り絞って祖父に話しかけて質問をしたら、答えは自分で観察して得ないといけないと言われてしまう。答えを見つけて再度祖父にあった孫娘は意外に優しい祖父を知る。彼女がつけていたノートに感心した祖父は以後、自然観察にいくに際して、孫娘をつれていくようになる。祖父に自然のこと科学のことを教えられた少女は次第に博物学の魅力にとりつかれていく。祖父と一緒に見つけた植物が新種らしいということで、写真を撮り、科学アカデミーに郵送。数ヵ月後に返事が来て、新種と認められ、二人のファミリーネイムが植物名となる。

科学に目覚め、祖父といつまでも一緒にいたいキャルだが、その時代にはいまだ女性に学問への道はなかった。南部の裕福な白人家庭では、年頃の娘は家事を学び、社交界にデビューして、いずれは花嫁となることが求められていた。戦争でその機会を逸した母親は唯一の娘に自分の夢を託していた様子。裁縫や料理の特訓で、祖父と過ごす時間を減らされることに、恨みを感じながらも、抜け出せないキャルパーニア。
南部は戦争に負けて、黒人奴隷は解放されたものの、差別はいまだに残っていた時代。ダーウィンの『種の起源』が読みたいと図書館にいったキャルパーニアは貸し出しを拒否されてしまう。当時はまだ未成年は親の許可がないと読めない危険な本だった。博物学を通じてダーウィンと親交があった祖父が持っていたので借りたものの、当時のキャルには手に負えない書だった。

1900年は十九世紀最後の年だが、当時の人はその年で新たな世紀を迎えたようだ。その深夜十数年ぶりの雪に覆われた朝の場面で終わる。