警視庁本部庁舎六階にある捜査第一課科学捜査係文書解読班の執務室。もとは資料保管室と呼ばれ、警察が扱った事件の記録がここに持ち込まれ保管されている。
凶悪事件の時効が廃止され、過去の未解決事件の継続捜査を進めるために、文書解読班なる部署をもうけ、執務室にここがあてがわれた。
班長は警部補鳴海理沙、唯一の部下は巡査長矢代で、所轄から移動してきた。
大学で文章心理学を専攻した鳴海は、個人的にも文章のかかれたものが好きで、私物として大量の物件を持ち込んでいるために部屋はごみ屋敷さながらの散らかりよう。
所轄の鑑識や刑事も経験したが、水が合わなかった彼女にはこの仕事は願ってもない仕事。
所轄で地道に捜査していた矢代は、刑事は足を使って情報を集めるのだと思っていたから、上司の鳴海への不信感がぬぐえない。

そんな文書解読班に捜査本部への参加依頼がある。犯行現場に残された遺留物の文書の解読が求められる。

荻窪の空き家で死体が見つかる。喉を切られ腹を刺されている。なぜか右手首が切り落とされ、持ち去られている。

発見された文書は胃腸薬の包み、書店のレシート、そしてアルファベットが書かれたカード。A.B.C.D.N.O.T.U.の八枚のカード。

捜査を担当する捜査一課第四係の古賀係長は最初鳴海たちにあまり期待していない。あくまでサポートとして、残された文書を解読することだけに専念してもらいたいらしい。
文書を知るために、鳴海は捜査にも首を突っ込んでいき、被害者の身元を突き止めたり、怪我をした犯人らしき男に出くわしたり、成功と失敗を繰り返しながらも、次第に連続する殺人事件の真相に迫っていく。関係が見いだせない被害者たち、カードはどの現場にも残されていて同一犯と思われていたが、やがて二つのグループによる抗争事件に、片方の子供の誘拐事件が絡んでいることに気がつく。残されたカードは誘拐された姉娘の助けを求める言葉や誘拐犯のアジトの所在を表すものであることに気づく。

ついに誘拐された娘の所在を突き止めた鳴海たちは二人の犯人により絶体絶命の窮地にたたされる。そんな二人を助けたのは、誘拐された側に雇われた男。それにより誘拐犯は逮捕されたが、その男には逃げられる。

事件の真相を突き止め犯人逮捕に貢献した鳴海たちはようやくその存在を認められる。