なかなかいい話だった。山本さんの作品はいくつか読んでるが、お仕事小説が芯になった成長記のようなものが多い。
今回の主人公は高校三年十七歳の男子、錫之助。高校受験の日にインフルエンザになり、第三志望までの学校に入れず、滑り止めの県立諏那高校に入学。廃校が決まっている最後の生徒。大学入試で頑張るつもりでいたが、廃校間近な一クラスしかない学校の空気は覇気がなく、いつか勉強する気もなくなっていて、進路が決められない。
自宅は祖父が始めて同族で経営する板金工場。あとを継ぐか大学進学か就職か決めてない。
図書館で居眠りして帰宅時間が遅くなったある日、担任のダイブツ先生に捕まり、学校備品の楽器の運搬を頼まれる。市役所職員二人と共に、音楽室からトラックまで運ぶ。
彼同様学校に居残っていてダイブツに捕まった三人。顔見知りだが口を利いたことはない。
長身で痩せていていじられっ子の美馬、がっしりした体でいじりやの土屋、一人きりのテニス部員播須。
運び終わったあとに積み残しが一点。ケースにはHBとかアルファベットが記入されている。中を開けてみると、ハンドベルだった。十三のベル。金色に輝き、大小大きさの違うベル。
県内唯一の女子校の演奏を市立図書館で見たことがあると、美馬と播須は言う。
ハンドベル部を作れば女子校と共演できるかもしれない。色気付いた動機から、土屋が提案し、一番まともな錫之助が発起人となり、部長を仰せつかる。
生徒四人と担任教師五人の部員と、音楽教師の老人カラニャンの指導で始まったハンドベル部。
昔は女子もいて、ハンドベル部は全国大会に出るほどの実力だった。今は男子四人と大人一人。美馬はピアノをしていたから楽譜が読めるが、他は読めない。
カラニャンに教えられて、譜面の一音ごとにベルの記号を書き込み、鳴らす数などから五人に振り分ける。右手のベルと左手のベルを色分けして記入。それを見ながらベルを鳴らす。ハンドベルは縦に弧を描くように振って音を出す。胸元に押し付けて音を止める。
簡単な曲から始めたハンドベルに四人はいつか魅了され夢中になる。楽譜が読めない部員たちは歌を歌いながらベルを振ることでタイミングを合わす。
楽しいけど人に話すのは恥ずかしいと,家族にも内緒で練習に励み、保育園やショッピングセンターなどでミニコンサートを開くようになる。
打ち込むものがあると人は変われるんだと納得した。
今回の主人公は高校三年十七歳の男子、錫之助。高校受験の日にインフルエンザになり、第三志望までの学校に入れず、滑り止めの県立諏那高校に入学。廃校が決まっている最後の生徒。大学入試で頑張るつもりでいたが、廃校間近な一クラスしかない学校の空気は覇気がなく、いつか勉強する気もなくなっていて、進路が決められない。
自宅は祖父が始めて同族で経営する板金工場。あとを継ぐか大学進学か就職か決めてない。
図書館で居眠りして帰宅時間が遅くなったある日、担任のダイブツ先生に捕まり、学校備品の楽器の運搬を頼まれる。市役所職員二人と共に、音楽室からトラックまで運ぶ。
彼同様学校に居残っていてダイブツに捕まった三人。顔見知りだが口を利いたことはない。
長身で痩せていていじられっ子の美馬、がっしりした体でいじりやの土屋、一人きりのテニス部員播須。
運び終わったあとに積み残しが一点。ケースにはHBとかアルファベットが記入されている。中を開けてみると、ハンドベルだった。十三のベル。金色に輝き、大小大きさの違うベル。
県内唯一の女子校の演奏を市立図書館で見たことがあると、美馬と播須は言う。
ハンドベル部を作れば女子校と共演できるかもしれない。色気付いた動機から、土屋が提案し、一番まともな錫之助が発起人となり、部長を仰せつかる。
生徒四人と担任教師五人の部員と、音楽教師の老人カラニャンの指導で始まったハンドベル部。
昔は女子もいて、ハンドベル部は全国大会に出るほどの実力だった。今は男子四人と大人一人。美馬はピアノをしていたから楽譜が読めるが、他は読めない。
カラニャンに教えられて、譜面の一音ごとにベルの記号を書き込み、鳴らす数などから五人に振り分ける。右手のベルと左手のベルを色分けして記入。それを見ながらベルを鳴らす。ハンドベルは縦に弧を描くように振って音を出す。胸元に押し付けて音を止める。
簡単な曲から始めたハンドベルに四人はいつか魅了され夢中になる。楽譜が読めない部員たちは歌を歌いながらベルを振ることでタイミングを合わす。
楽しいけど人に話すのは恥ずかしいと,家族にも内緒で練習に励み、保育園やショッピングセンターなどでミニコンサートを開くようになる。
打ち込むものがあると人は変われるんだと納得した。