警視庁殺人分析班シリーズ第四作。警視庁捜査一課第十一係の面々が活躍するシリーズだが、紅一点の新米女刑事が先輩警部補の鷹見の指導で一人前の刑事として成長する様子も描いている。

今回は都内の高層マンションの外階段の踊り場で発見された死体から事件が始まる。頭部に打撲を受けていて、胸を刺されて失血死。被害者の手にナイフがあり胸に刺さっていて、一見自殺にも見える。しかし凶器のナイフではないこと、現場が被害者の浴室であることから他殺とされる。部屋にはパソコンが十台ほどあり、自宅にこもってネット関係の仕事をしていたようだが、その中身がわからない。

その後、警視庁に脅迫電話があり、三日後までにニ億円を用意するように要求。拒否するなら、毎日一人都民を殺害するという。

翌日、第二の被害者が見つかり、三日目には女性警官一人に金を運ばせるように要求してきて、如月が指名される。犯人の指示通りに金を運んだものの、結局犯人は受け取りに現れず,代わりに到着した場所に第三の死体が見つかる。

第二の被害者宅で見つかった遺留品から退職した刑事の指紋が見つかり、警察に恨みを抱く元刑事の平野が犯人だとされた。しかしその居所が不明。
第二の金の受け取りに関する電話が犯人からあり、前夜犯人に襲われて負傷した如月の代わりに、特殊犯捜査係長の部下の女性警官が金を運ぶことになる。
そして大金を奪われ犯人に逃げられてしまう。
如月が襲われた際の犯人の遺留品から、アジトだと思われる廃工場が特定され、踏み込んでみると、手配中の元刑事平野の病死と思える遺体が発見されたが、奪われた金は見つからない。

これで被疑者死亡、身代金不明で、決着かと思われたときに、廃工場にあった何かの跡から鷹見は別の犯人の存在に気づき、如月は犯人からの電話の背後に聞こえた異音の正体に気づき、真相にたどり着く。
第二の身代金を運んだ女性警察官が犯人と通じていた。三人の被害者たちが行っていた違法な事業。その被害にあった犯人は、事件を密かに調べていた平野刑事を隠れみのにして、事業を行っていた三人を殺害し、罪を平野に被せて、大金を奪取しようとした。
今回も真相にたどり着いたのは、鷹見、如月の閃きによる新たな視点だった。