前から気になっていた作品、ようやく読了。

最初の方で主人公の日都子が担任やクラスのものから、あらぬ疑いをかけられ、いじめに近い扱いを受け、彼女が誰とも関わらないようになり、ヒトリコと言われ、自身でもそう名乗るようになるのを読んでいて、嫌だなと思った。
こうしたいじめなどは私は見たくないし避けたいと思ってしまう。だから最後まで読むのをやめてしまおうかと思った。夕食で中断して、食後、気になってラストを見てみたら、なんかいいフィナーレになってる。

そのわけを知りたいと続きを読み始めたら、一気に最後まで読めてしまった。

小学五年の時に冬希とともに生き物係になった日都子。自宅で飼えないと彼が持ってきた金魚。自分で面倒を見るというので彼女は世話をしなかった。そんな冬希が転校。唯一の生き物係になった日都子は嫌々世話をしていた。
休み明けに機械が止まって金魚が死んでいるのを発見した彼女はせいせいしたと思い、遺体をゴミ箱に。
冬希を離婚で別れた息子の代わりに可愛がっていたヒス気味の担任は、日都子がわざと殺したと頭ごなしに叱り、ほほをぶつ。クラスメイトは誰も彼女をかばってくれなかった。以来いじめをうけるようになり、日都子が無視続けていたら、いつかひとりぼっちの存在になり、ヒトリコと呼ばれるようになった。

中学に進級し、クラブ活動で人と関わるのが嫌で、近所のキュー婆さんにピアノを習い始める。感情のこもらない、ロボットのような演奏で、何度も叱られる。
高校に入ったら、東京に転校した冬希がこちらに戻り、同じ高校に。はじめは同じ小学校だった日都子らがすっかり変わっているのに驚いた冬希だが。金魚が原因だと聞いて、放っておけなくなる。

今も一人ピアノを弾いている日都子を、文化祭の実行委員になった冬希は、強引に合唱の伴奏に誘う。

関わらなくてもいい人とは関わらない、それが日都子の信条になっていた。でも自分は関わりたい人にしてもらいたいと、積極的に日都子に話しかけていく。

バイオレスペアレントの母親をもつ冬希は嫌なくせに母を見捨てることができないでいた。日都子と再会し、ようやく母を切り離す決意ができるようになる。

キュー婆さんの死後になって、ようやく婆さんが望むような演奏ができるようになった日都子は、ようやくヒトリコから解き放たれたようだ。