以前読んだ『あずかりやさん』の続編。
下町の外れにあるあずかりやさん。どんなものでも一日百円で預かってくれるという奇妙な店。店主は盲目の青年。
昔、和菓子屋だった実家の店舗を引き継ぎ、盲学校を出たあとに、はじめた商売。最初は商売になるのかと危ぶまれたが、幼い児童から年寄りまで幅広い年齢の人々に愛され、癒しを与える店だった。前作ではそんな店に預ける品物と預けた人にまつわる話が語られ、なかなかよかった。

今回は店主が店を始めるまでのことを描いた桐島くんの青春物語と、預けた人が受け取りに来なかったために店主の所有物となった二つの品物にまつわる話が描かれていた。

プロローグでは中学時代、国語教師が話してくれたあずかりやさんなる奇妙な店。それに関連して、もし何かを預けるなら何にするか?という宿題に嘘をついたことを詫びる。成人して宇宙飛行士となった中学生はあらためて預けるものを考えてみたら、何もないとわかった。ないことを恥ずかしがる必要はなく、反対に幸せで恵まれているのだと気づいた。困ったときはあずかりやさんという思いが、彼にとってはふるさとだった。それを考えてるだけで心に余裕が生まれた。そんな存在だった店。
自分の夢を諦めて教師となった父親が夢を持ち続けるようにいうために、それに逆らえず、大学を出たものの、仕事にもつかずにぶらぶらしていた青年を、彼の所有する文机から語らせるという話から始まる。開店したばかりのあずかりやさんに出会ったことがきっかけで、青年は心を入れ換え、文机は店主のものになる。

知恵遅れの弟をもった姉の成長を描きながら、背景にあずかりやさんが登場する二編目。

あずかりやさんの店内にあるオルゴールの来歴を、スイスの職人が作ったときから日本に持ち込まれ、ついにはあずかりやさんのもとに来るまでを描いた三編目。

盲学校で学業もスポーツも秀でていた桐島くん。東大法学部への受験を決意していた桐島くんが、担任教師の人命救助による事故死により、進学を諦め、実家の和菓子屋に帰ることを決意するまでを描いた四編目。