宮城県出身の著者がふるさとを襲った東日本大震災を経験した地元作家を編集部員の目を通して描いた作品。
震災直後のある日に、文芸の単行本担当の編集員亜依子に、編集長はしばらく音沙汰がない震災地出身の作家に原稿を依頼できないかという。デビュー作を彼女が担当したものの、二作目が書けないまま、音信がなくなった。彼の行方を探しに現地にいくしかない。
折しも担当している中堅女作家も最近スランプだったが会ってみると意外なことをいう。
震災のことを考えるとじっとしていられず、何度かボランティアに出掛けていた。しかも遺体探しまでしたと。その経験から震災をテーマにした小説を書きたくなったので,編集者である亜依子にも現地を見てもらいたいと。十年もの間つきあってきた二人は互いのプライベートもかなり打ち明けてきた仲。
二人で向かった仙台近くの漁村。目当ての作家の自宅は津波で流され、両親は無事だが今は北海道だとわかる。一旦引き上げようと乗ったタクシー。その運転手はなんと亜依子の元カレ。作家の取材に同行して知り合い、その後恋人になったものの、いつか別れた。
夕食を共にして、過去のしこりをなくすことができる。探していた作家のことを聞いてみると、なんと知り合いだという。仙台の予備校での講師仲間だと。電話してもらい、翌日会うことになる。
編集長に頼まれていた件を伝えると、書いてもいいという。
いくら大災害だとしても、東京と現地ではそれに対する気持ちにはへたたりがある。日本中の人が巻き込まれた戦争なら共通の地盤があるから、戦争文学も成り立つが。震災だと直接経験していない都会の人は年月と共に風化するし、逆に現地の人にとっては一年二年では震災の爪痕からは回復していない。だから震災を描いた小説など読む気になれないかもしれない。誰も読む気にならない小説など書く意義があるのか。編集者も作家も悩む。
しかし、たまたま大災害に遭遇した地元の作家として、何かを書きたい書き残したいと思うのもあり。たとえ商業的に売れなくても。
書き下ろしの単行本にするつもりの長編を頼んだものの、作家が書いてきたものは短編だった。震災直前までの現地の様子を描いた連作短編にすると。
デビュー作とは見違えるよい作品。連載が決まり、有名な賞がある出版社からも原稿依頼があり、中編で書いた震災後の作品が受賞するまでになる。
震災直後のある日に、文芸の単行本担当の編集員亜依子に、編集長はしばらく音沙汰がない震災地出身の作家に原稿を依頼できないかという。デビュー作を彼女が担当したものの、二作目が書けないまま、音信がなくなった。彼の行方を探しに現地にいくしかない。
折しも担当している中堅女作家も最近スランプだったが会ってみると意外なことをいう。
震災のことを考えるとじっとしていられず、何度かボランティアに出掛けていた。しかも遺体探しまでしたと。その経験から震災をテーマにした小説を書きたくなったので,編集者である亜依子にも現地を見てもらいたいと。十年もの間つきあってきた二人は互いのプライベートもかなり打ち明けてきた仲。
二人で向かった仙台近くの漁村。目当ての作家の自宅は津波で流され、両親は無事だが今は北海道だとわかる。一旦引き上げようと乗ったタクシー。その運転手はなんと亜依子の元カレ。作家の取材に同行して知り合い、その後恋人になったものの、いつか別れた。
夕食を共にして、過去のしこりをなくすことができる。探していた作家のことを聞いてみると、なんと知り合いだという。仙台の予備校での講師仲間だと。電話してもらい、翌日会うことになる。
編集長に頼まれていた件を伝えると、書いてもいいという。
いくら大災害だとしても、東京と現地ではそれに対する気持ちにはへたたりがある。日本中の人が巻き込まれた戦争なら共通の地盤があるから、戦争文学も成り立つが。震災だと直接経験していない都会の人は年月と共に風化するし、逆に現地の人にとっては一年二年では震災の爪痕からは回復していない。だから震災を描いた小説など読む気になれないかもしれない。誰も読む気にならない小説など書く意義があるのか。編集者も作家も悩む。
しかし、たまたま大災害に遭遇した地元の作家として、何かを書きたい書き残したいと思うのもあり。たとえ商業的に売れなくても。
書き下ろしの単行本にするつもりの長編を頼んだものの、作家が書いてきたものは短編だった。震災直前までの現地の様子を描いた連作短編にすると。
デビュー作とは見違えるよい作品。連載が決まり、有名な賞がある出版社からも原稿依頼があり、中編で書いた震災後の作品が受賞するまでになる。