ようやく最後まで読めた。以前にも二度か三度借りたものの、最後まで読めず挫折していた。難解だからとか、つまらないからではなく、図書館で借りる量が読む数より多すぎて、時間切れになることが多いから。

著者はイギリスの若手の作家、批評家。
以前図書館で見つけた魅力的なタイトルがある。『読んでない本について堂々と語る本』。どうやら著者はそれに触発されて書いたようだ。原題は『今度こそ、読んでない本をいかに語るか』。世界文学の古典を紹介しながら、そんな点についてもちゃんとアドバイスめいたことが語られている。いくら読むものが少ないとしても、時にそれに夢中になる読者もいる。だからこそ現代にも古典として残っているのだが。だから主人公やテーマについて、聞いたようなことを発言して恥をかかないように、あまり人には注目されない部分を知ったかぶりする方がいいと忠告する作品もある。

そんなタイトルに沿った話題もあるが、むしろ著者の真意は古典の魅力の一端を紹介することで、読んだことがないもののに、興味を持たせて、読ませたいと思って書いたもののような気がする。

オースティンから始まり、ホメロス、ウェルギリウスのギリシア古典、ジョイスのユリシーズ、ダンテクラブに進み、詩について話が進む。シェイクスピアのあとには、聖書とコーランがテーマとなり、一転プルーストからロシア文学としてトルストイとドストエフスキーの比較となる。そしてヘンリー・ジェイムズを語ったあとに、ドン・キホーテと源氏物語を論じる。
訳者によれば原書は全二十章で、現代文学や哲学、科学の分野の作品も扱っているとか。訳者が著者の力がこもったと思われる古典文学に関する十五章だけを訳出したという。

作品のあらすじや問題点を指摘するのではなく、著者が感じた興味深い点を重点的に述べることで、より読者に読む気を起こさせようとしたらしい。

読者相手に話すように砕けた表現で読みやすく、ユーモアも感じられて,読んでいて退屈は覚えない。

さて、取り上げた作品の中で私が読んだと言える作品はあるかといえば、やはりないな。でもいつか読んでみたいと思ったのは、やはりドストエフスキーかな。

それとディケンズも挙げておこうか。今一冊借りていることだし。

これで正月の第一週に返す本は、八冊のうち六冊読了。あと二冊。