サブタイトルに、アリスの国の墓誌、とある。辻さんの日本推理作家協会賞を受賞した『アリスの国の殺人』という代表作に、三十五年ぶりに決着をつけるという趣向の作品。
新宿ゴールデン街にあるスナック蟻巣,ミステリーとマンガが好きな客が夜な夜な集まり,推理を競った店。もと声優のママ由布子と広告代理店に勤めていた夫中込の夫婦が営んでいた。この中込は先日読んだ『世紀の殺人』にも登場していた。広告代理店が創業者一族の死により、生まれ変わった会社に顧問となった中込は脳梗塞で倒れ、半身不随。その介護のためにママは店を閉める決意をした。
大家に鍵を返すまでのわずかな時間に、常連客が集まり、昔話に花を咲かせ、形見分けを受ける。そして、常連客だった漫画家那珂一兵のことを思い出していた。その席で話題になったのは一兵が遭遇した二つの殺人事件とその謎解き。
一兵の故郷は信州の地主。妾腹の子ではあったが、一兵は認知され、四人兄弟の末っ子として育つ。実の母親は生涯女中のまま。同い年で姉の千鳥には密かに思いを寄せていた。戦後、台湾から復員した一兵は、密造酒で死んだ父や病身の長男に代わり、力を振るっていた祖母の死を目の当たりにする。納屋の二階で一族の墓標に押し潰されていた祖母。二人が発見直後に焼夷弾の破裂で納屋は燃え落ち、祖母の事件は迷宮入りした。唯一アリバイがなかったのは病身の兄だが、彼にはできそうにない状況。
東京に出て、漫画家として売り出していた一兵のマンガにテレビアニメの話が来たものの、担当プロデューサーが難物。才能はないが、金持ちで大株主。しかも女ぐせが悪く、目下のものに厳しく当たる。
一兵の才能を認め、上京してマネージャーを勤めていた姉千鳥が、弟のためにうった無理心中。使用人のいない屋敷の一室に姉は人身御供として出向き、別々の毒で死んだ。不思議なのは死んだ姉の喉から腹まで切り裂かれていて、大量の血があふれていた状況。
常連客の話により、謎は解明されたものの、なぜそこまでしたかの理由がわからなかったが。前夜取材に訪れた記者の録音機に、一兵姉弟の話が録音されていて、おぼろげにわかる。
巻末には登場人物たちのモデルも明かされていて、わかるものにはわかるのだろう。あいにく嫌いではないが、マンガよりは活字が好きだった私にはわからなかったが。
前作も読んでみたくなった。
新宿ゴールデン街にあるスナック蟻巣,ミステリーとマンガが好きな客が夜な夜な集まり,推理を競った店。もと声優のママ由布子と広告代理店に勤めていた夫中込の夫婦が営んでいた。この中込は先日読んだ『世紀の殺人』にも登場していた。広告代理店が創業者一族の死により、生まれ変わった会社に顧問となった中込は脳梗塞で倒れ、半身不随。その介護のためにママは店を閉める決意をした。
大家に鍵を返すまでのわずかな時間に、常連客が集まり、昔話に花を咲かせ、形見分けを受ける。そして、常連客だった漫画家那珂一兵のことを思い出していた。その席で話題になったのは一兵が遭遇した二つの殺人事件とその謎解き。
一兵の故郷は信州の地主。妾腹の子ではあったが、一兵は認知され、四人兄弟の末っ子として育つ。実の母親は生涯女中のまま。同い年で姉の千鳥には密かに思いを寄せていた。戦後、台湾から復員した一兵は、密造酒で死んだ父や病身の長男に代わり、力を振るっていた祖母の死を目の当たりにする。納屋の二階で一族の墓標に押し潰されていた祖母。二人が発見直後に焼夷弾の破裂で納屋は燃え落ち、祖母の事件は迷宮入りした。唯一アリバイがなかったのは病身の兄だが、彼にはできそうにない状況。
東京に出て、漫画家として売り出していた一兵のマンガにテレビアニメの話が来たものの、担当プロデューサーが難物。才能はないが、金持ちで大株主。しかも女ぐせが悪く、目下のものに厳しく当たる。
一兵の才能を認め、上京してマネージャーを勤めていた姉千鳥が、弟のためにうった無理心中。使用人のいない屋敷の一室に姉は人身御供として出向き、別々の毒で死んだ。不思議なのは死んだ姉の喉から腹まで切り裂かれていて、大量の血があふれていた状況。
常連客の話により、謎は解明されたものの、なぜそこまでしたかの理由がわからなかったが。前夜取材に訪れた記者の録音機に、一兵姉弟の話が録音されていて、おぼろげにわかる。
巻末には登場人物たちのモデルも明かされていて、わかるものにはわかるのだろう。あいにく嫌いではないが、マンガよりは活字が好きだった私にはわからなかったが。
前作も読んでみたくなった。